家族葬の費用相場はいくら?費用を少しでも安くするためのコツは?
家族葬は、少人数で行う葬儀形式として注目されています。
家族だけで静かに故人を送れるため、気軽さやプライバシーを確保できることから、多くの人々が魅力を感じています。
そのため、家族葬の費用がどれくらいかかるのか、どのように費用を抑えられるのか気になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、家族葬の費用相場や内訳、費用を安くするためのコツを解説します。
少数の葬儀に関心のある方は、準備を進める際の参考にしてください。
目次
家族葬の費用相場はどのくらい?
家族葬の費用相場は、参列者の人数や地域、葬儀の内容によって大きく異なります。
家族葬を検討されている方にとって、費用の目安を知ることは大切です。
ここでは、参列者の参列者を2つに分けて説明します。
【参列者の2つについての説明】
● 参列者が10人の場合
● 参列者が20人の場合
それぞれ見ていきましょう。
参列者が10人の場合
10人規模の家族葬の場合、費用総額の相場は以下のとおりです。
項目 | 費用相場 |
---|---|
基本料金 | 30万〜70万円 |
飲食接待費 | 10万〜30万円 |
お布施 | 10万〜35万円 |
合計 | 50万〜135万円 |
上記の費用には、欠かせない基本的なサービスも含まれます。
最低限の費用であると把握し、予算内で工夫して計画を進めましょう。
参列者が20人の場合
20人規模の家族葬の総額を、以下にまとめました。
項目 | 費用相場 |
---|---|
基本料金 | 40万〜90万円 |
飲食接待費 | 20万〜50万円 |
お布施 | 10万〜35万円 |
合計 | 70万〜175万円 |
基本料金は、10人規模の家族葬と同じものが含まれます。
しかし、20人規模になるとより広い葬儀場が必要になり、使用料や葬祭用品の数も増えるため、必要予算が上がります。
人数により場所代や用意する物の数で金額に差が出るため、事前に費用の内訳を確認し、予算オーバーに注意してください。
家族葬に必要な費用の内訳
家族葬にかかる費用内訳は基本項目が決まっており、それぞれ費用がかかります。
ここでは、家族葬に必要な費用を以下のとおり細分化しました。
【家族葬に必要な費用の細分化】
● 葬儀の基本料金
● 飲食接待料金
● 寺院に支払う料金
それぞれ見ていきましょう。
葬儀の基本料金
葬儀の基本料金には、葬儀そのものに関わる費用が含まれます。
以下に内訳の詳細をまとめました。
内訳 | 詳細 |
---|---|
斎場使用料金 | 葬儀を行う場所の使用料。規模や立地によって料金が異なる |
搬送料金 | 遺体を病院から自宅や葬儀場へ搬送する際の費用。距離や時間によって変動する |
火葬料金 | 火葬場で火葬にかかる費用。公営か民営かによって料金が異なる |
祭壇・棺・位牌・遺影など | 葬儀で使用する祭壇や棺、位牌、遺影の準備費用。選ぶ品の種類や品質によって料金が変わる |
人件費その他 | 司会者やセレモニースタッフの人件費など |
上記の料金は、基本的な葬儀の進行に必要な費用で、基本的には削減できません。
ただし、葬儀社によって提供されるサービスや料金プランは異なるため、複数の葬儀社に見積もりを依頼し、比較検討することをおすすめします。
飲食接待料金
参列者をもてなすための飲食費用や返礼品の費用が含まれます。
詳細内訳や細かい相場は以下のとおりです。
内訳 | 詳細 |
---|---|
飲食費 | 通夜振る舞いや告別式後の精進落としにかかる費用。料理の内容や参列者の人数によって変動する |
通夜振る舞い | 通夜のあとに行われる会食費用。1人あたり2,000円前後 |
精進落とし | 告別式のあとに行われる会食費用。1人あたり4,000〜8,000円程度 |
会葬礼状 | 参列者に配る御礼の文書。人数によって必要な枚数が変わる |
会葬御礼品 | 参列者に配る御礼の品物。香典返しとして渡されることが多い |
これらの費用は、選ぶものにより費用が変動するため、予算を考慮して選ぶことが重要です。
故人との関係性や参列者の人数、葬儀の規模に応じて適切な内容を決めるとよいでしょう。
たとえば、親しい家族のみの葬儀であれば簡素な食事や少量の返礼品で済ませられますが、多くの参列者が予想される場合は、十分な準備が必要です。
寺院に支払う料金
寺院に支払う料金には、僧侶に対するお布施やその他の諸費用が含まれます。
以下に、詳細内訳と一般的な費用をまとめました。
内訳 | 詳細 |
---|---|
お布施 | 僧侶に読経や戒名授与の謝礼として渡すもの。金額は寺院や宗派によって異なる |
御車料 | 僧侶が葬儀場までの交通費として渡す費用。距離や交通手段によって異なるが、5,000円〜1万円が一般的 |
御膳料 | 僧侶に対する食事代として渡す費用。会食を行わない場合でも渡すことが多く、一律5,000円〜1万円が目安 |
寺院に支払う料金は、宗派や寺院との関係性によるため、事前に確認しておくことが重要です。
また、お布施の金額は決まっていないため、適切な金額は葬儀社や寺院に相談するとよいでしょう。
家族葬の費用は誰が支払うべきか
家族葬の費用の負担は、多くの方が悩むポイントです。
一般的に、喪主や施主が負担しますが、状況によってはほかの方法で費用を工面することもあります。
喪主は故人の配偶者や子どもが担当することがほとんどで、葬儀費用も支払います。
喪主は葬儀の運営や寺院への連絡などさまざまな役割を担うため、その責任の一環として費用を負担するためです。
施主が支払うケースも考えられます。
施主とは、葬儀の費用を支払う役割の人で、ほとんどの場合は喪主と同一人物です。
しかし、喪主が若かったり、高齢で費用の負担が難しかったりする場合は、別の人物が施主を務めることがあります。
施主は必ずしも血縁関係がある必要はないため、故人と親しい友人や知人が担うことも可能です。
また、親の遺産で葬儀費用を支払うケースも考えられます。
故人の口座が凍結される前に、遺産から葬儀費用を引き出して支払ってもよいでしょう。
家族葬の費用は分割払いできる?
葬儀費用は高額になることが多く、1度に全額を支払うのが難しい場合があります。
最近では、さまざまな支払い方法に対応している葬儀社が増えており、分割払いも選択肢の1つです。
たとえば、以下の2つの方法があげられます。
それぞれ、手元に現金がなくても支払いができることが共通するメリットです。
方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
クレジットカードの分割払い | カードのポイントを貯められる | 分割手数料がかかる |
葬儀ローン | 年齢や職業、収入などの審査条件を満たせば、借りられる | 金利が発生するため、返済計画を立てる必要がある |
分割払いを検討している場合は、早めに葬儀社にその旨を伝え、利用できる支払い方法を相談しましょう。
葬儀社によっては特定の金融機関と提携している場合もあるため、適切なプランを提案してもらえるかもしれません。
家族葬の費用を支払えないときにできること
葬儀費用は高額になりがちなため、費用の捻出に困ることもあるでしょう。
しかし、費用に負担を感じる場合でも、いくつかの方法で工面できます。
ここでは、費用の支払いに困った場合の支援策を3つ解説します。
【支援策3つ】
● 葬祭扶助を利用する
● 補助金を活用する
● 親族や相続人で分担して払う
それぞれ見ていきましょう。
葬祭扶助を利用する
「葬祭扶助」とは、生活保護を受給している方や、低所得者の方が利用できる公的支援制度です。
自治体が必要な葬儀費用を一部または全額負担することで、経済的な負担を軽減できます。
葬祭扶助の対象となる費用には、遺体の搬送費や火葬料、棺の費用などが含まれます。
利用条件は、居住地の福祉事務所に申請し審査を受け、通過することです。
申請には収入証明書などの書類が必要なため、事前に必要書類を確認しましょう。
たとえば、厚生労働省のガイドラインによると、生活保護受給者の葬祭扶助の内容は、以下のような費用が含まれます。
【葬祭扶助の内容】
● 棺の購入
● 遺体の搬送
● 火葬または埋葬
● 葬祭に必要なその他
これらの費用は地域によるため、詳細は居住地の福祉事務所に問い合わせて確認してください。
参考|厚生労働省「2024(令和6)年4月1日施行 生活保護実施要領等」
補助金を活用する
各自治体では、国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入していた故人の喪主に対して、葬祭費の補助金を支給しています。
葬儀費用の一部を補填するもので、自治体によって支給額や申請方法が異なりますが、一般的には5万円程度の支給です。
申請期限は故人が亡くなった翌日から2年間のため、早めに手続きを行うことが大切です。
たとえば、東京都のケースでは、国民健康保険に加入していた場合、葬祭費として7万円が支給されます。
申請には、故人の死亡を証明する書類(死亡診断書など)と、喪主の身分証明書が必要です。
また、社会保険に加入していた場合は「埋葬料」や「埋葬費」として、同様の補助金を受けとれます。
一例として、全国健康保険協会(協会けんぽ)では、被保険者が亡くなった場合に埋葬料として5万円が支給されます。
申請には、死亡の事実を証明する書類と申請者の振込口座情報が必要です。
親族や相続人で分担して払う
葬儀費用を1人で全額負担するのが難しい場合、親族や相続人で費用を分担する方法もあります。
遺産分割協議の際に、葬儀費用を誰がどれだけ負担するかを話し合い、複数の相続人で支払うことで、1人にかかる負担を軽減できます。
費用負担を、事前に話し合っておくことが大切です。
また、親族が一時的に立て替え、あとから相続財産から精算するのもよい選択肢です。
家族や親族が協力し合い、負担を分散できると無理のない範囲で葬儀を執り行えるでしょう。
家族葬の費用を抑えるためのポイント
家族葬の費用を抑えるためには、工夫や対策が必要です。
ここでは、家族葬の費用を抑えるためのポイントを6つ解説します。
【ポイント6つ】
1. 葬儀を小規模で執り行う
2. 自由なスタイルで葬儀を執り行う
3. 必要な儀式だけを行う
4. 飲食接待料金を抑える
5. 相見積もりをとる
6. 生前に葬儀の予約をとる
無理のない範囲で費用を削減し、故人を送り出しましょう。
ポイント①葬儀を小規模で執り行う
家族葬は基本的に少人数で行われることが多いですが、さらに規模を小さくすると費用を抑えられます。
参列者が少ないほど、葬儀場の使用料や飲食費用・返礼品の数が減るため、全体の費用を大幅に削減できます。
たとえば、親しい家族や友人のみを招いて、自宅や小さな会場で行うと、葬儀場の使用料や飲食費を削減できるでしょう。
ポイント②自由なスタイルで葬儀を執り行う
形式にとらわれず、オリジナルなスタイルの葬儀も費用削減につながります。
伝統的な宗教儀式の省略により、儀式費用を削減しつつ、故人らしく送り出せます。
たとえば、故人が好きだった音楽を流したり、思い出の写真をスライドショーで上映したりすることで、個性的で心温まる葬儀を演出できるでしょう。
また、自宅や公園などの思い出の場所で葬儀することも1つの方法です。
葬儀場の使用料を節約し、よりパーソナルな空間で故人を偲べます。
さらに、手作りの祭壇や飾り付けを作ることで、費用を抑えるだけでなく、家族や友人が協力して作りあげる温かい葬儀を実現できます。
ポイント③必要な儀式だけを行う
葬儀の内容を見直し、必要な儀式だけに絞ることで費用を削減できます。
たとえば、通夜や告別式のどちらか一方のみを行う一日葬を選ぶと、費用を大幅に抑えることが可能です。
さらに、故人や家族の意向に合わせて、シンプルな献花式や黙祷のみでも、費用削減に役立ちます。
宗教者を招かず、家族や友人だけでお別れの言葉を述べることで、お布施や宗教者の交通費などの費用削減につながります。
ポイント④飲食接待料金を抑える
通夜振る舞いや精進落としなどの参列者に対する食事の提供を省略すると、1人あたり数千円の費用を節約できます。
最近では会食を行わない葬儀も増えており、簡素な折り詰め弁当を用意するのもよい選択肢です。
また、自宅での簡単な食事会にすることで、会場費用も節約できます。
ポイント⑤相見積もりをとる
複数の葬儀社から見積もりをとると、もっともコストパフォーマンスのよいプランを選べます。
葬儀社によって提供されるサービスや料金は異なるため、詳細まで内容を確認し、自分たちに合ったプランを選ぶことが重要です。
たとえば、A社とB社の見積もりを比較し、A社の方は基本料金が安いがB社の方がオプション料金が安い場合があります。
自分たちに必要なサービスや優先度を考慮して、最適なプランを選びましょう。
ポイント⑥生前に葬儀の予約をとる
生前に葬儀の予約をしておくと、費用を抑えられます。
葬儀社によっては、生前予約に割引や特典が付与される場合があるからです。
そのため、故人の希望を反映させたプランを事前に決めておくと、無駄な出費を防ぎ、スムーズに葬儀を進めることが可能です。
たとえば、生前に葬儀社と相談し、必要なサービスや希望する葬儀内容を決めておくとよいでしょう。これにより、故人も家族も安心して迎えられ、精神的な負担を軽減できます。
費用を抑えるための葬儀社の選び方
家族葬の費用を抑えるためには、適切な葬儀社を選ぶことが重要です。
以下に、選定ポイントを2つまとめました。
ポイント | 詳細 |
---|---|
料金プランが明確な葬儀社を選ぶ | ・料金プランの透明性があり、追加料金が発生しない ・仲介料がかからない「葬儀専門会社」を検討する ・安置日数無制限やドライアイス料金が含まれているプランを選ぶ |
料金プランの内容を確認する | ・不要な項目や高価な仏具、装飾品が含まれていないかを確認する ・必要なサービスだけを追加する |
これらのポイントを参考に、家族葬の費用を抑えつつ、心のこもった葬儀を執り行いましょう。
家族葬の費用を支払う前のチェックリスト
家族葬の費用を支払う前に、確認しておくべき事項が3つあります。
【確認事項3つ】
● 遺言書の有無や内容を確認する
● 死亡保険の有無を確かめる
● 生前の予約の有無をチェックする
それぞれ見ていきましょう。
遺言書の有無や内容を確認する
遺言書には、故人が希望する葬儀の内容や費用の支払い方法が記載されている場合があります。
遺言書の内容に従って葬儀を進められると、故人の意思を尊重し、費用の管理もしやすくなります。
たとえば、遺言書に「シンプルな家族葬を希望する」と記載されている場合、身内だけの少数で進めることで無駄な出費を避けられるでしょう。
また、葬儀費用の支払いに関しても、故人が特定の方法を指定している場合があるため、確認して適切に対応してください。
死亡保険の有無を確かめる
死亡保険の保険金は、葬儀費用の一部または全額をカバーできます。
保険証書や契約内容を確認し、保険金の受けとり手続きを進めましょう。
たとえば、故人が生命保険に加入していて、保険金の受けとり人が家族であれば、保険金を葬儀費用に充てられます。
この際、死亡診断書などの書類が必要なため、早めに手続きを進めるとスムーズです。
生前の予約の有無をチェックする
故人が生前予約をしていた場合、費用がすでに支払われていることがあるため、追加の支払いが必要ない場合があります。
生前予約の有無を確認することで、費用面だけでなく故人が希望していた葬儀内容を正確に反映させられます。
生前予約の契約書や連絡先を故人が生きているうちに把握しておくことが、葬儀を円滑に進めるための重要なポイントです。
日頃から、家族で共有しておくと安心でしょう。
まとめ
家族葬の費用相場は、参列者の人数や地域、葬儀の内容によって大きく異なります。
参列者が少ないほど費用を抑えやすく、自由なスタイルで葬儀を行うことも費用削減につながります。
また、必要な儀式だけを選び、飲食接待費用を抑えることで全体費用の削減が可能です。
家族葬で必要なことを把握し、適切な対策を講じることで、故人を心を込めて送り出せます。
なお、葬儀・家族葬のかながわセレモニーサポートでは、ご家族と最後まで大切な時間を過ごせるよう、さまざまなプランを用意しています。家族葬をご検討中の方は、ぜひお問い合わせください。
この記事が、家族葬の費用の理解を深め、ご自身にあった選択をするための参考になれば幸いです。
監修者

森井 功介
株式会社リコリス 代表取締役
<資格>
<略歴>
1982年神奈川県藤沢市生まれ。20年間で7,500件以上のお別れに立ち会う。2015年に株式会社リコリスを設立し代表就任。現在は「かながわセレモニーサポート」ブランドのもと、追加料金ゼロの総額プランを提供しながら、終活セミナーやエンディングノート講座を通じて地域の終活支援にも注力している。
<代表メッセージ>
「かながわセレモニーサポート」を運営する株式会社リコリスは、追加料金なしの総額プランで“内容と価格の透明性”を徹底。花祭壇を含む高品質なサービスを適正価格で提供し、ご家族一人ひとりの想いに寄り添った“世界に一つだけのお葬式”を実現します。
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