一日葬のメリットとデメリットとは?

2021年4月10日

家族葬・お葬式

従来のお葬式は、1日目にお通夜、その翌日に告別式と2日間かけて行うのが一般的です。しかし最近では1日で行う「一日葬」が注目を集めています。今回は一級葬祭ディレクター監修のもと、一日葬のメリットとデメリットを紹介するとともに、より納得のいく一日葬を行うためのポイントを紹介します。

 

一日葬を選ぶ人が増えています

白い菊の花

一日葬とは、葬儀式と火葬を1日で行なう形式の葬儀を指します。 お通夜を省略することが多いため、精神的にも肉体的にも、また経済的にも遺族の負担が軽減されるスタイルとして注目を集めています。最近では新型コロナウイルスの流行で、参列者の安全を配慮した家族だけでの一日葬を行選ぶ方が増えています。感染症対策は徹底されていますので、家族以外の参列者にお越しいただくことももちろん可能です。しかし、実情としては家族だけで行うか、参列者がいるとしても少なく、小規模な葬儀となる場合が多いです。

 

一日葬のメリット

一日葬の様子

1.費用が抑えられる

通常の葬儀は、お通夜と告別式の2日間で行うことがほとんどです。一日葬は、多くの場合お通夜がなく、1日で葬儀と火葬のみを行うため、以下に挙げた費用の負担が軽減されます。

 

飲食費用

お通夜では通夜振る舞いといって、参列者や僧侶へ食事や飲み物を用意する必要があります。一日葬でお通夜を行わない場合には、飲食費用の負担が大きく軽減されます。食事を振る舞う場合にも、家族や親族、ごく親しい友人の数名であれば、一般的な葬儀と比較すると費用が少なくて済みます。

 

式場利用費

1日で葬儀と火葬を行う場合は、式場代も1日分となるため費用を抑えることができます。ただ、開始する時間によっては前日からの準備が必要になることもあります。また、ご遺族のご要望によっては前日の夜に故人とのお別れの時間を設ける場合もあります。葬儀社によって式場準備の方法や費用が異なるため、事前に確認しておく必要があります。

 

返礼品の費用

一般葬や中規模の家族葬では、親戚をはじめ友人や知人、会社の関係者、近所の方など多くの人がお通夜に参加します。そのため多くの返礼品を用意する必要があります。一日葬は、小規模の場合がほとんどですし、そもそもお通夜を行わない場合が多いので、返礼品の準備も少なくて済むことから、手間や負担が軽減するというメリットがあります。

 

2.所要時間が短いため、遺族の体力的負担が軽減される

一般的な葬儀では、お通夜からお食事、告別式、火葬、精進落とし等、とても長い時間を要します。時間をかけて故人に尽くしたいという気持ちは多くの人が持っていると思いますが、残された家族や親族が高齢であることも少なくありません。長時間を要する葬儀は、身体に負担がかかる可能性があります。そのため所要時間が短い1日葬は遺族にとってメリットとなります。

 

3.参列者の負担が軽くなる

一日葬は、遺族だけでなく参列者にとってもメリットがあります。1日で葬儀式と火葬を行うので、遠方に住んでいる参列者にとっては日帰りという選択肢が増えます。宿泊施設を探す手間や宿泊費の負担も軽減されます。

 

 

一日葬のデメリット

一日葬の祭壇の様子

1.故人とゆっくりお別れができない

故人とゆっくりお別れができないのが一日葬のデメリットです。お通夜は基本的に18時や19時頃から行われるため、仕事や学校がある方でも弔問できます。一日葬は、多くの場合お昼頃から始めます。そのため、日中仕事や学校がある人は最後のお別れができない可能性があります。もちろん、前日の夜にお別れの時間を設けることも可能です。しかしコロナ禍では会場に集まることができる人数が限られているため、人数が多い場合はしっかりとお別れできず後悔が残ってしま可能があることも認識しておきましょう。

 

2.葬儀後の弔問対応が多くなることも

一日葬では参列できる人が限られます。完全に家族のみで行うケースも少なくありません。亡くなったことを後から知った方が自宅に弔問に伺いたいと希望する場合があります。この時、遺族が弔問に来られた方の対応をします。故人に友人や知人が多いことは大変喜ばしいことですが、弔問対応の負担を考えると一日葬のデメリットになるといえます。

 

3.寺院側から反対されることも

最近では一日葬という葬儀スタイルはかなり浸透してきましたが、通夜の翌日に葬儀式を行うという本来の葬儀のあり方を大切にしている寺院の場合、お断りされてしまう可能性もあります。檀家になっている菩薩寺がある方は、相談が必要です。

 

4.故人の人となりを知る機会が減ってしまう

少し前までは、故人との関係が浅い方やご近所の方など誰でも参列できるのがお葬式でした。友人や知人、仕事仲間やご近所の方にしかわからない故人の一面は必ずあり、お通夜や告別式はご遺族が知らなかった故人の人となりを知ることのできる機会でもあります。「こういう一面があったんだ」「こんなに人望があったんだ」と知ることが、ご遺族にとっては大きな励みになりますし。現在では葬儀スタイルや価値観が変化し、特に都心では故人とゆかりのある人たちだけが参列するようになりました。1日葬でも、特に家族だけで行う場合には「知れたはずの情報を知れなった」ということも出てくるでしょう。

 

 

納得のいく一日葬を行うための4つのポイント

手を握りあう親子

1.振り返りの時間をつくる

一日葬であっても、ご遺族が故人に何か施してあげる「手作りのお葬式」にできたら、より納得のいく時間を過ごすことができるでしょう。故人の写真をみんなで飾ったり、故人が好きだった食べ物を家族で作ったり。してあげられることはその家族によって異なります。故人との思い出を振り返れば、何がしてあげられるか必ず見えてきます。

このような家族参加型のお葬式を提案している葬儀社はあります。納棺も葬儀社が一方的にするのではなく、家族参加型にし、思い出を語り故人を偲びながら行うこともできます。納得のいく一日葬を行うためには、振り返りの時間をつくることが、故人にとっても遺族にとっても大切です。

 

2.時間の使い方を工夫する

「一日葬」という言葉だけを見ると、1日で行わなければいけないものだと思われる方も多いのではないでしょうか。しかし一日葬と言っても、前日の夜から斎場を使用することは可能です。前日の夜に故人と関りがある方々にお線香をあげにきてもらう時間を設けたり、故人を囲んで皆で食事をしたりすることもできます。式だけは家族で行うけれど、その日までにご自宅にお線香をあげにきてもらっても良いのです。

午前中に葬儀式と火葬を済ませてしまうこともできますが、より納得のいくお別れをするためには様々な方法があります。午前中に家族だけで故人を偲ぶ時間を作ったり、納棺の儀式に家族だけで集まって思い出話を共有したり。時間の使い方は、自由だということを知っているだけで、最後の過ごし方はより納得のいくものに変わるでしょう。

 

3.葬儀に誰を呼ぶのかを事前に話し合う

コロナ禍だから家族だけで一日葬を行おう、故人がご高齢だから関わっている人もいないだろうし家族だけで葬儀をしよう、と考える方もいると思います。ですがそれだけの理由で決めてしまう前に、「故人には関わっている人が必ずいる」ということを思い出してください。例えば90歳でおじいちゃんが亡くなったとします。ご家族にとっては、もう90歳だし参列できる友人や知人もいないだろうから家族だけで良いだろうと思えるかもしれません。ですがもし、そのおじいちゃんが生前に町内会長をやっていて、人望を集めていた方だったら。その町内会の人達は絶対にお線香をあげたいと思っているはずです。これはほんの一例ですが、どんな人にも必ず関りがあった人達がいるということを忘れてはいけません。終活の一環として、事前に自分の身に何かがあったときに連絡をしてほしい人をリスト化しておくことも非常に効果的です。

 

4.葬儀社任せにしない

大切な人が危篤状態になったとき、突然亡くなってしまったとき。人は冷静に判断することが難しくなります。急いで葬儀社を手配し、きちんと理解し納得する間もないまま、葬儀社の言われるがままになってしまうケースも少なくありません。気づけば終わっていたという声も多く聞かれます。もちろんできる範囲でヒアリングし、遺族に寄り添った葬儀プランを提案してくれる葬儀社もありますが、必ずしも全てがそうではありません。高額な費用がかかったわりには納得のいく葬儀ができなかったということにならないためにも、事前に要望や予算を明確にし、安心して任せられる葬儀社を選んでおきましょう。

 

まとめ:一日葬のメリットとデメリットを理解したうえで納得のいくお別れを

一日葬は、費用を抑えるだけでなく、遺族の体力的負担や精神的負担を軽減するというメリットがあります。その一方で、故人とゆっくりお別れができず後悔が残ってしまうというデメリットもあります。ですが限られた時間を有意義に使うことで、より後悔の少ないお別れができます。かながわセレモニーサポートは、ご本人やご遺族に寄り添い、納得のいく一日葬を行うためのお手伝いをいたします。一日葬をお考えの方は是非ご相談ください。

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