終活とは?やることリストや進め方を徹底解説
「終活」は人生の最期を見据えた活動のことです。終活は、その後に残される人や身の回りの物のための準備をし、自分の残りの人生をできるだけ充実したものにできるという意義があります。
本記事では終活の重要性やメリット、終活においてやること、いつから始めればいいかなどについて、詳しく解説します。
目次
終活とは?
「終活」とは、人生の終わりについて考え、備える活動のことです。
言葉だけ聞くと自分の死を連想してしまい、終活に対してネガティブなイメージを持ってしまう方もいらっしゃるでしょう。
しかし、これから説明するように、終活は残りの人生を前向きに生きるために必要となるポジティブな活動を指します。
終活をすると「自分らしく人生を終えるには何が必要なのか」を考えるきっかけが生まれると同時に、今をより良く生きるために一度自分の人生を整理することができます。
終活の重要性
日本において「終活」が意識されるようになったのは、2010年前後といわれています。
その背景には、日本の少子高齢化・核家族化や平均寿命の延びなどによって「老後への不安感が増した」ことが関係しているといわれています。
一昔前の日本であれば、家族や地域の人とのつながりの強さや、家族や親戚の数が多かったため、死後の整理や葬儀のあれこれを周囲に任せたり分担することが可能でした。
だからこそ、安心して最期を迎えられるケースが多かったのです。
しかし現代では、「頼れる家族がいない」「介護や看取りを担う人材が不足している」「社会保障制度が成り立たなくなる」という理由や不安から、老後や死後のために備える必要があると考える人が増加しました。
他にも、医療の進歩によって長寿化が進み、高齢者が自身の治療・介護・葬儀・お墓に関心や責任を持ったことも背景の一つとして考えられます。
また、時代の変化によって家族のあり方や、葬儀の価値観が多様化していることも、終活への関心を集めるきっかけになったと考えられるでしょう。
終活のメリット
終活をするメリットとして、次の4つのメリットが挙げられます。
・自分の半生を振り返りることで気持ちの整理ができる
・老後の不安を解消し前向きに生きるきっかけになる
・家族の負担を軽減できる
・遺産相続のトラブルを防ぐことができる
上記の4つのメリットについて詳しく解説していきます。
自分の半生を振り返りることで気持ちの整理ができる
終活によるメリットとして最初に挙げられるのが、「自分の人生を見つめ直すきっかけが生まれること」です。
終活をすることで、これまでの人生を振り返ることができると同時に、自分自身の気持ちを整理することができます。
そして、やり残したことや後悔がないように、残された人生をどのように送りたいのかを考えることにも繋がります。
もちろんやり残したことは人それぞれですが、例に挙げるとすれば、「親しい友人と再会する」「自分史を作成する」「思い出の場所を旅行する」などが挙げられるでしょう。
他にも、医療や介護の治療方針など普段あまり考える機会がないようなことについても、終活を機に考えることができます。
限られた人生を悔いなく前向きに過ごしていくためにも、人生の最期と向き合う終活は非常に大切な時間です。
老後の不安を解消し前向きに生きるきっかけになる
終活は、老後の不安を解消し前向きに生きるきっかけになります。
終活には、財産の整理や介護、医療などに関わるさまざまな準備活動をともないます。
人は見えない問題に不安を抱きます。しかし、問題を目に見える形にまで落とし込めば、現状と向き合えるようになり不安も和らぎます。
そのため、まずは現状を把握し、何が不安なのかを明らかにするために、やることリストを作成して必要な作業を書き出してみましょう。
問題の見える化により、漠然と恐れていた不安が事前準備によって解消できるものだったと気づくこともあるでしょう。
終活には、漠然とした不安を解消できるメリットがあるといえます。
家族の負担を軽減できる
自分の死後に、遺された家族の負担を軽減できることも終活のメリットの ひとつです。
人が亡くなると、その家族は遺品整理や相続の手続きなど、さまざまなことをしなければならなくなります。
家族の死に気が動転してる中で、財産相続がどのようになっているか、遺品をどのように扱ったらい良いのか、誰に連絡してどのように葬儀を行ったら良いのかなどの情報を一から収集することは、家族にとって非常に大きな負担となるでしょう。
しかし、終活として生前から身の回りの整理をしたり、自分の希望を書いたり、財産整理をしたりしていれば、遺された家族の負担を軽減することができます。
遺産相続のトラブルを防ぐことができる
終活のメリットの1つに、相続トラブルの回避が挙げられます。
相続トラブルは、故人がものごとを曖昧にした結果により起こるケースが多くあります。
相続財産の配分や事業の引き継ぎ先を曖昧にした結果、相続人が自らの権利を主張して争いに繋がるのです。
例えば、実家の土地は長男が相続する、預貯金の全額は次男が相続するといった具合で、権利関係を具体化し、遺言で財産の行先を明確にしておきましょう。誰の目にも明らかな形で権利関係を明確にしておけば、争いは起きづらいです。
死後の権利関係を明確にし、紛争になりうる元を断つ作業は、終活のメリットであるといえるでしょう。
終活をはじめるならいつ?最適なタイミング
今から終活をはじめようといっても、すぐに行動に移せる人はなかなかいません。
終活はご自身のタイミングで始められて結構ですが、多くの人が終活をはじめるきっかけとなったタイミングを具体的に紹介します。
少しでも当てはまると感じた方は、今が最適なタイミングです。
定年を迎えたとき
定年で仕事をリタイアすると生活は大きく変わります。社会人としての義務的な役割から解放されたことで、自分の人生を見つめ直し、どのような最期が理想的かを考える時間をとれるようになります。
70歳(古希)、77歳(喜寿)など、明確な年齢の節目としての慶事も、これまで生きてきた足跡を振り返り、今後の生き方を考える機会になるようです。
子育てが終わったとき、子どもが結婚したとき、孫が生まれた時など、自分が親から祖父母になったときに終活を意識する人も多いです。
自分や家族の健康に不安を感じたとき
実際に終活の相談に来られる方の中には、身近な人が余命宣告を受けたり、危険な状態になったりしてから初めて考える方が多いのが現状です。
終活は年齢を重ねるほど負担になってしまいます。余命宣告を受けた人に対して「今から終活をしよう」というのは非常に難しいことです。冗談交じりで、笑いながら話せる元気なうちに始めるのがベストです。
また、入院を伴うような大きな体のトラブルが自分自身の身に起こったとき、死を間近に感じることになります。この時もまた、終活を意識するタイミングになる方が多いのです。
終活は、自分が死んでしまった後に残された家族が困らないように行う活動のことです。具体的には、自分の身の回りの整理や、遺産相続について遺言を残したり、万が一の時に備えて葬儀社との打ち合わせを行っておいたり。肉体的にも精神的にも大変な仕事となるので、やはり元気のあるうちに手を付けるのが理想です。
結婚したとき・子どもが生まれたとき
結婚したり、子どもがうまれたりと、新しい家族が増えるということは、あなたの身に何か起こった時に影響を受ける人が増えるということです。
年齢に関係なく終活をはじめるベストタイミングといえます。自分だけでなく、配偶者と一緒に考えると尚良いでしょう。
身近な人の死に接したとき
家族や友人、お世話になった知人が亡くなったときには、もちろん深い悲しみや喪失感を感じますが、死を強く意識する機会でもあります。
特に親族の方が亡くなった場合は、遺品整理などで大変な思いをされるケースが少なくないため、終活に対して強い意識を持って取り組まれる方も多いようです。
ただ、身近な方が亡くなられたときは、ご自身の心も深く傷付きます。焦らず、ゆっくり、ご自身のペースで終活を進めて行きましょう。
お正月やお盆など、家族や親戚が集まるとき
お盆やお正月など、家族や親戚が集まるタイミングで、終活について話題を出すのもいいでしょう。
何気ない日常の中で、家族みんなで話すことで、普段は聞けないホンネが聞けたり、これからの人生でしたいことなどが見つかったりするかもしれません。改まると話しにくいという方には特におすすめです。
家族や配偶者に終活をすすめたいと思ったとき
家族や配偶者に終活を勧めたいと思ったら、まずはあなたが実践しましょう。誰かと一緒にはじめることで、不安や心配は少なくなります。
おひとりさまで将来に不安を感じたとき
おひとりさまは元気なうちに不安なことを明確にして、一つずつ解消していくと良いでしょう。
葬儀社のスタッフや終活アドバイザーが相談に乗ってくれるので、一人でも心配はありません。
終活の進め方は?やることリストで確認しよう
終活のやることリストは次の通りです。
一つずつ確認し、整理していきましょう。
身の回りのものを整理する
自分の持ち物を把握して、整理をしましょう。衣類・貴金属・不動産・有価証券・クレジットカード・銀行口座・保険など、整理すべきものをリストアップします。
不要なものがあれば処分し、必要なものだけを残しておけば身辺がスリム化します。例えば、不要な衣服や貴金属は人にあげたり売ったり、大きなものは不用品回収を利用すると良いでしょう。使わないクレジットカードや余計な保険は解約しておくのも良いでしょう。
身辺がすっきりとすれば、今後余計なものを購入しなくなり、遺品整理のときに残された家族の負担を減らせるようになります。
エンディングノートを作成する
終活をするうえで欠かせないツールとなっているのがエンディングノートです。エンディングノートとは、自分の最期や死後に備えて、残される人達に必要な情報を記したり、伝えておきたい要望などを書き留めておいたりするためのノートです。
不安を解消し、自分の気持ちを整理するとともに、残りの人生を有意義に過ごすための道しるべとなります。
エンディングノートはネットショップや書店で市販されており、いろいろな種類のものがあるので、自分に合ったものを選んで使用しましょう。もちろん、大学ノートなどを代用しても構いません。
エンディングノートに記す事柄は多いため、少しずつ書きやすい項目から書いていく方法がおすすめです。
また、エンディングノートには大切な情報が記されますが、存在に気付いてもらわなければ記した意味がなくなってしまいます。信頼できる人に、存在とありかを教えておきましょう。
遺言書ではありませんので法的な効力はなく、決まった形式もありませんが、家族に伝えておきたい事柄のほか、自分自身のこと、家族に対する感謝の気持ちなどを書きます。
エンディングノートに記しておくとよい事柄をご紹介します。
自分のこと
生年月日や本籍地、マイナンバーや運転免許証番号等の基本的な情報は、万が一の時に家族が確認しやすくなるので書いておくと良いでしょう。
また、自分史や、好きな食べ物、好きな色、趣味など内面的なことを書くことで自分らしさと向き合うことができ、今後の人生をよりエンジョイするためのきっかけにもなります。新しい自分にも気づくことができるかもしれません。どんな些細なことでも書き留めましょう。
家族のこと
家族への連絡先や親族表などを作成しておきましょう。亡くなった時にスムーズに訃報を連絡したり、相続人と相続順位の把握をしたりする際にも役に立ちます。
ペットのこと
一人暮らしをされている場合は、残されたペットを引き取り、きちんと世話をしてくれる人や場所を確保しておきましょう。ペットも大切な家族です。病歴や年齢、特徴なども記しておくと良いでしょう。
身の回りのこと
SNSやWebアカウントのIDやパスワードといったデジタル情報は、わからなくなってしまうと永久にインターネット上に残ってしまいます。ログイン情報だけでなく、アカウントを残すか退会するか等も合わせて記入しておきましょう。また、SNSなどで投稿したいメッセージなどがあれば、付け加えておきましょう。
資産のこと
資産について、例えば口座の暗証番号やクレジットカード番号、通帳の場所などすべてを明記すると、不正利用されてしまう恐れがあるので注意しましょう。エンディングノートの紛失を想定したうえで、あくまでも家族にわかる範囲で書き留めおくことをおすすめします。
また、エンディングノートは遺言書と違って法的効力がありません。死後の手続きを進めやすくするための参考として書くようにしましょう。
医療や介護のこと
あなたの身に万が一のことがあったとき、かかりつけの病院や、飲んでいる薬、ドナー提供の意思などがわかればよりスムーズに対応することができます。
また、家族が延命措置などの決断を迫られた場合の精神的負担を軽減するためにも、対応方法や要望をまとめておきましょう。認知症などで意思疎通が困難になったときのために、介護のことについても記しておくことをおすすめします。
家族や友人へのメッセージを用意する
家族や親族、親しい友人やお世話になった方への感謝の気持ちや伝えておきたいことなどをまとめておきましょう。
エンディングノートに記録するのも良いですが、写真と共に思い出を記録したり、手紙を書いたりするのもおすすめです。
財産の整理をする
資産目録があれば、遺産調査の負担が少なくなります。預貯金・有価証券・不動産はもちろん、美術品やコレクションなども全てリスト化し、エンディングノートに記載しましょう。
また、口座が複数ある場合も整理しておきましょう。口座を複数持っていると、相続の際に解約や名義変更の手続きが大変になります。
残された家族に負担をかけないためにも、不要な口座は解約して、必要最低限の数にしておきましょう。残した口座の存在は、家族や親族に知らせておくことが大切です。
相続の際、口座の存在が後から発覚すると二度手間になったり、手続きがさらに煩雑になったりするリスクが生じるため注意しましょう。
同様に、不要なクレジットカードも、解約しておくと相続の際に家族の負担を減らせます。そのほか、保険や証券、不動産も1件ごとに手続きが必要なものが多いです。
複数持っていると相続の際に手間がかかりがちです。自分の老後のためにも、不要なものがないか見直して整理を行いましょう。
医療と介護の方針に関する意思表示をする
万が一自分が倒れたときや認知症になってしまい判断能力を失ったときに、家族が困らないように必要な準備をしておきましょう。
・救急処置や延命治療ほどのような対応を希望するか
・介護状態になったときに誰にサポートしてもらいたいか
・介護施設に入所するのかなるべく自宅で過ごしたいのか
・どのような介護サービスを受けたいか
など、自分で自分のことを判断できるうちに希望をまとめておきましょう。
しかし、「元気なうちはなかなか具体的に考えられない」という人も多いでしょう。この場合は将来どういうケースが考えられるか、どのような治療方法や介護が受けられるかなど、主治医に相談したりインターネットで検索したりして情報収集しておきましょう。
老後資金について計画する
平均寿命が延びつつある中で、老後資金に不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
自分が元気なうちに老後資金の計画を立てておくと安心できます。
「自分にどれだけ老後資金が必要かわからない」「老後資金が足りているのかわからない」とお悩みの方は、
・今の生活費
・現在の貯蓄額
・もらえる年金額
これら3つを調べてみましょう。
また、将来の入院や介護に備えた準備はできているか、自分の葬儀費用はどのくらいかも確認しておくと良いでしょう。
遺言書を作成する
終活の際に記すエンディングノートは、法的効力がありません。そのため、エンディングノートに何が記載されていたとしても、必ず本人の希望通りになるわけではない点に注意が必要です。亡くなった後の要望をエンディングノートに記しても、それはあくまで要望でしかありません。
もし遺産分割の方法など、要望通りにして欲しいのであれば遺言書の作成をおすすめします。遺言書は、民法で定められた法的な文書です。指定の形式以外で書かれたものは無効となるので注意が必要です。
遺影を撮影する
遺影写真は葬儀の際に、祭壇の中心に飾られるため、参列者は遺影写真を見て故人を偲ぶことになる大切なものです。
事前に準備しておくことで、自分の納得した写真を遺影にできることが最大のメリットです。
最近では写真館や葬儀社などで遺影写真の撮影をしてもらう「生存遺影」が注目を集めています。元気に出歩けるうちに赴いて撮影すると良いでしょう。寝たきりの場合でも、自宅に出張して撮影をしてくれる写真館や葬儀社もあります。
撮影するうえでの服装の決まりは特にないので、自分らしいと思える服装を着るようにしましょう。
葬儀の前にご遺族が遺影を準備するケースがほとんどですが、やはり急に遺影を準備するとなると大きな負担になるため、負担を軽減するという意味でも遺影を準備しておくのがおすすめです。
葬儀やお墓の準備をする
希望する葬儀の形式や予算をあらかじめ決めておくことで、残された家族にとってもご本人にとってもより後悔の少ないお別れができます。
お墓についても同様に、希望する埋葬方法や墓地、予算などを明確にしておくことをおすすめします。
葬儀やお墓の準備で大切なことは「すべて一人で進めようとしないこと」と「すべてを葬儀社に任せないこと」です。この2つは一見相反するように思えますが、ご自身の要望を大切にしながら、信頼できる葬儀社やご家族と一緒に決めることがトラブルなく納得のいく最期を迎えるための近道です。
葬儀社の事前相談を活用する
ここまで終活で行うべきことをざっと説明してきました。とても自分1人ではできそうにないと不安に思った方も多いでしょう。ですが、終活に詳しい専門家はたくさんいます。まずは安心できる葬儀社のスタッフに相談してみましょう。具体的な内容が決まっていなくても、「終活を始めたい」という気持ちがあれば十分です。無料で相談を行っている葬儀社もたくさんあります。是非活用しましょう。
生前予約をする際には、葬儀プランの変更や解約ができるかどうか、事前に確認しておきましょう。見積もりが明瞭ではなかったり、スタッフの対応に違和感を感じた場合は別の葬儀社に相談をしてください。複数の葬儀社を比べることで、より自分に合った葬儀社を選びましょう。
終活で葬儀の事前準備・事前相談をしよう
終活を進めていく中でも特に「やってよかった」という声が多いのが、葬儀の事前相談です。
葬儀の事前相談では、生前に葬儀社の人と自分や家族の葬儀のことを話し合って、万が一のときに備えて葬儀の準備をします。
後悔なく満足度の高い葬儀を行うには、事前相談が不可欠です。葬儀について何も分からない人が、何も知らないままに葬儀を迎えるよりも、あらかじめ全体の流れや費用について知っておいた方が、その満足度ははるかに向上します。
本人の不安も、家族の不安も解消できるため、お葬式を行ううえで事前相談にはメリットしかありません。
終活で葬儀の事前相談をするメリット
終活で葬儀の事前相談をするメリットは以下の4点です。
・葬儀の不安や疑問を解消できる
・葬儀費用がわかる
・希望に沿った葬儀ができる
・家族の負担を軽減できる
それぞれ詳しくご紹介します。
葬儀の不安や疑問を解消できる
葬儀を執り行うという経験はそう多くはありません。昨今では家族葬なども多く選ばれているため、葬儀に参列する機会も少なくなって来ています。
そのため、実際に葬儀を行うとなった時にどういった段取りで、どのように行えばいいのか分からない方も多くみられます。
こうした疑問や不安は、事前に葬儀の相談をすることで軽減できます。
歴史や実績のある葬儀社に相談すると、経験から得た多数のノウハウがあるので、どんな質問にも答えてくれるため安心できます。
葬儀費用がわかる
葬儀で一番気になるのが、費用のことです。事前相談を受けることで、費用に関する疑問が解決されます。
ここでのポイントは2つです。
ひとつは大体の費用やその内訳が分かること。
費用の内容が詳しく分かることで、何が必要で何が不要かを冷静に判断できます。
また、最近の葬儀社は、「家族葬プラン」「一般葬プラン」「一日葬プラン」など、お葬式のスタイルごとにプランをパッケージしているので、費用を考えることがそのまま葬儀スタイルを考える事にもつながります。
もう一つは、複数の業者から見積もりを取ることで、地域相場が分かり、比較検討ができ、よりいい葬儀社に巡り合えることです。
事前相談をすることで、何も知らなかった費用の全体像、内容、地域相場が分ります。そして早いうちから予算計画が立てられ、無理なく納得のいく葬儀が実現可能となります。
希望に沿った葬儀ができる
葬儀の事前相談の最も大きなメリットは、「自分の希望する葬儀が行えること」にあります。
たとえエンディングノートに詳細に葬儀の内容を記していたとしても、葬儀の事前相談をしておかなければ、実際に葬儀を挙げるための打ち合わせをするのは残された家族になります。そのため、どうしても「自分が理想とする葬儀」ができなくなってしまうこともあります。
「花でいっぱいにしたい」「喪服ではなく私服で参列してほしい」などの希望がある場合は、それに対応可能な葬儀会社を探したうえで、打ち合わせをすることで実現できます。
事前相談を活用することで、自分らしい納得のいく葬儀ができるでしょう。
家族の負担を軽減できる
家族が亡くなった場合、残されたご家族はさまざまなことを短い期間で決めていかなければなりません。
家族が亡くなった深い悲しみのなかで冷静な判断ができない状況であっても、葬儀についてあれこれ決めなければなりません。
また、そのような状況で必要以上の高額な費用がかかる葬儀プランや、高額なオプションをすすめられ、気付けば見積りが莫大な金額に膨らんでいた、というケースも少なくありません。
しかし葬儀の事前相談をして、どんな式にするか、どんな葬儀社に依頼するかを家族と共有しておくことで、ご家族が葬儀を組み立てやすくなりますし、予算も決めやすくなります。
終活で葬儀の事前相談をする際に決めておきたいこと
終活で葬儀の事前相談をする際に、決めておくべきことは以下の6点です。
・葬儀エリアを決める
・葬儀の形式を決める
・葬儀のだいたいの予算を決める
・納骨先を決める
・訃報連絡先のリストを作成する
・葬儀社を選定する
それぞれ詳しくみていきましょう。
葬儀エリアを決める
まずは葬儀の場所を決めましょう。自宅から近い場所にするのか、交通の便がいいところにするのか、参列者の人数によっても異なります。
また葬儀社によって、葬儀に対応しているエリアは異なります。どの地域で葬儀を行うのかを最初に決めておくことで葬儀社を探しやすくなります。
エリアによって平均の葬儀費用が変わることもあるので前もって考えておきましょう。
葬儀の形式を決める
葬儀形式と参列者の人数規模によって葬儀費用は大きく変わります。家族葬、一日葬、一般葬など、葬儀の形式には色々な種類があり、各葬儀社が様々なプランを出しているため迷われる方も多いでしょう。
前もって一つに絞らなければいけないわけではなく、葬儀社の担当者と相談しながら決定することができますが、最初に形式や規模について考えておくと良いでしょう。
葬儀のだいたいの予算を決める
相場がわからない状態で予算を決めておくのは難しいかもしれませんが、費用感について大体把握できているという方は予算の上限を決めておくと良いでしょう。
葬儀社によっては強引に営業をしてきたり、その場の空気に流されたりして予想以上の負担になってしまう可能性もあります。そうならないためにも、あらかじめ予算の上限を決めておきましょう。
納骨先を決める
納骨先をどうするかも検討しておきましょう。菩提寺の納骨堂・墓地がある場合には、そこに納骨すればよいのですが、特にない場合は、葬儀を依頼する寺院に納骨堂があるのか、また新たに霊園に墓地を建立するのかを決めておく必要があります。また、先々は誰が供養していくのか、といった問題もあります。
すぐに決めることではありませんが、いずれ決めないと問題になります。時間のある時にご家族で話し合う必要があるため、事前相談をするタイミングで決めておくと良いでしょう。
訃報連絡先のリストを作成する
葬儀のとき、誰に連絡をするのか事前にリストを作成しておくとよいでしょう。
生前に葬儀の準備をするというのは気が引けるかもしれませんが、親しくお付き合いされている方の連絡先はできる限りご家族が把握できるようにしておきましょう。
葬儀社を選定する
いい葬儀を行うためには、規模が大きい小さいにかかわらず、いい葬儀会社を選ぶことが大切です。葬儀社が信頼できなければ、葬儀を任せることはできません。
事前に相談を行っているのであれば、自分と合わない会社を選ばずに済むでしょう。信頼できる会社なのかどうかを相談の時点で見極めましょう。
終活で葬儀の事前相談をする際の進め方【4ステップ】
終活で葬儀の事前相談をした方がいいことはわかっても、いざ行動に移すとなると何からはじめていいかわからないという方もいらっしゃるでしょう。
そこで、葬儀の事前相談をする際の進め方をご紹介します。
ステップ1.葬儀社を探す
まずは事前相談をする葬儀社を探しましょう。友人の口コミやチラシ、インターネットで調べた際に、気になる葬儀社があればピックアップしておきましょう。
このとき注意したいのは、葬儀社仲介サービスについてです。
「小さなお葬式」や「イオンのお葬式」は、一定の金額で葬儀をしてくれる葬儀社を紹介するインターネットサービスです。誤った認識をしている方も多いのですが、「小さなお葬式」や「イオンのお葬式」自体が葬儀を行うわけではありません。
あくまでも提携している葬儀社を紹介するのが役目です。一度に複数の葬儀社を比較でき、低価格なプランが多く掲載されていることが魅力的ですが、実際に葬儀を行うのは「小さなお葬式」や「イオンのお葬式」が紹介した別の葬儀社になります。
そのため、気になる葬儀社があれば、その葬儀社を改めて検索し、公式サイトや口コミ・評判をチェックするようにしてください。
ステップ2.葬儀社に連絡する
気になる葬儀社が見つかったら、早速葬儀社に連絡しましょう。
連絡する方法は、電話またはWebサイトからになります。葬儀社によってはLINEなどでのやり取りも可能な場合があります。
ご自身にとって最も負担にならない方法で連絡をしてみましょう。
連絡するのは気が引けるという場合には、まずは資料請求をしてみるのも終活の第一歩としておすすめです。
ステップ3.日程と相談手段を決める
電話で事前相談の旨を伝え、そのまま電話で相談をすることも可能ですが、すぐに対応できない場合には改めて事前相談をする日程を調整します。
また、電話以外にも、以下の方法で事前相談をすることができます。
・葬儀社に赴く
・自宅に訪問してもらう
・近くのカフェなどを利用する
上記の場合には、改めて日程を決める必要があります。
ステップ4.相談する
日程と相談手段が決まったら、いよいよ事前相談です。
本記事の「終活で葬儀の事前相談をする際に決めておきたいこと」の内容を参考に、あらかじめ疑問や不安な点がないか、質問事項等をリストアップしておくのがおすすめです。
事前相談の際には、葬儀社のスタッフと実際に話してみることにより、スタッフの対応を体感することができ、葬儀社の信頼性をより把握しやすくなります。
葬儀社選びの際に、その葬儀社がどれだけ信頼できるのかも重要なポイントとなるため、葬儀プランや費用面だけでなく、スタッフの対応もチェックしておきましょう。
終活をする際に注意したいポイント
終活をする際に、注意すべきポイントは以下の3点です。
・デジタル終活を忘れずに
・やるべきことだけでなくやりたいことも考えよう
・家族と終活のことを共有しよう
それぞれどのような点に注意すべきか詳しくみていきましょう。
デジタル終活を忘れずに
デジタル終活とは、スマートフォンやパソコン、クラウドに保存されたデジタルデータを、生前のうちに整理しておくことです。
整理しておくべきデジタル遺品にあたるものは以下の通りです。
・写真や動画などのデータ
・SNSアカウント
・各サービスのログイン情報
・ネット銀行やネット証券
これらのデジタル遺品を整理しておかないと、端末を開くためのパスワードが分からなくなり、データを閲覧、整理することができなくなってしまいます。
インターネットバンクや電子決済アプリに残った資産が取り出せなくなってしまうことも考えられます。
また、有料サブスクリプションなども解約しておかないと、利用していないのに料金が請求されることになります。
そういった問題を防ぐためにも、デジタル遺品整理を忘れずに行いましょう。
やるべきことだけでなくやりたいことも考えよう
終活では、やるべきことだけでなく、残りの人生でやりたいことも考えましょう。
今までの人生を振り返り、やり残したことやこれからやりたいことをリスト化します。
家族旅行や家族へのプレゼント、ボランティア活動、興味のある分野について勉強するなど、残りの人生をどう過ごすか目標・計画を立てることで、日々を充実させることができるでしょう。
家族と終活のことを共有しよう
終活は、自分が亡くなった際のことを考える必要があるため、少なからず不安を感じることが多くなってしまう可能性があります。
また、すべて一人で事前に準備しようと頑張りすぎてしまい、終活をすること自体に対しストレスを感じてしまう場合があります。
ような終活のデメリットを防ぐためには、終活の内容自体を家族などの周囲の人に共有しつつ、相談をするのがよいでしょう。
エンディングノートや遺言書の作成や保管場所は、きちんと伝えておくことがとても重要です。
また、生前に家族などに思いを伝えておくことで、理解を得やすくなり、残りの人生を応援、サポートしてもらいやすくなります。
まとめ
生前整理、葬儀やお墓の準備、相続の問題、一つずつ見ていくと少し暗いことに見えますが、きちんと準備し、事前相談をしておくことで、いざという時の時間を大切に過ごすことができます。
準備をしていた人にとっても、お別れはもちろん辛く悲しいことです。しかし、明日への第一歩を踏み出して、希望を持って進もうとされている方が多いように感じます。
終活を通して「死」と向き合うことでより後悔しない最後を選べるということを認識しておきましょう。
何から手を付けていいかわからないという方は、是非葬儀社の事前相談を活用しましょう。
かながわセレモニーサポートの事前相談では、葬儀についてだけでなく、終活に関するどんな些細なお悩みにも寄り添い、丁寧にお答えします。