一日葬の流れとは?所要時間やほかの葬儀との違いも解説

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家族葬 葬儀・葬式

近年では、感染症の流行や核家族化を背景に、葬式を簡略化した「一日葬」が注目されています。
最近増えてきた葬儀の形式なので、「故人とお別れする時間は十分にあるのだろうか」と一日葬の具体的な流れをご存じない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで本記事では、一日葬の基本知識を解説します。
大切な方との別れの時を悔いなく過ごすためにも、ぜひご覧ください。

一日葬の流れ

一日葬とは、通常2日かけて行う葬式を、1日で執り行うスタイルのことです。
一般的な葬式では、1日目に通夜を、2日目に葬儀と告別式、火葬を行うのに対し、一日葬では葬儀と告別式、火葬のみを行います。
以下で、一日葬の流れを見ていきましょう。

ご遺体の搬送・安置

故人が病院で亡くなった場合、医師による死亡診断を受けたあと、ご遺体を清潔な状態に保つためにエンゼルケアが施されます。
ケアが終わり、ご遺体が病院の霊安室に移されたら葬儀社に連絡して、ご遺体を故人のご家族が決めた安置場所に搬送してもらいます。
この際の安置場所には、ご自宅や葬儀社内の安置室を選ぶのが一般的です。

ご自宅で亡くなった場合は、医師による死亡診断を受けるか、警察署に連絡して死亡を確認してもらうこととなります。
死亡が確認できたら、病院で亡くなった場合と同様に葬儀社に連絡し、遺体を安置場所へ搬送してもらいましょう。

葬儀社との打ち合わせ

ご遺体の搬送が完了したら、葬儀社の担当者と1~3時間程度かけて打ち合わせを行います。
打ち合わせで確認するのは、以下の事柄です。

葬儀社との打ち合わせで確認する事柄

・葬儀の日程
・葬儀の会場
・葬儀のプランや流れ
・参列者の人数
・喪主
・遺影写真
・僧侶の手配

打ち合わせが終了した段階で、故人と生前に関わりのあった方々に訃報連絡を行い、葬儀の日程や場所を知らせます。

納棺

葬儀当日には、葬儀社が故人の身体を清め、棺へと納める「納棺」が行われます。
これは、故人が親族の前で旅立ちの準備をする大切な儀式です。
一般的に納棺では、故人の身体を洗い清める湯灌(ゆかん)を行い、死化粧を施して死装束を着せます。

納棺の際には副葬品として、故人が好きだったものや思い出の写真などを棺に入れることができます。
ただし、一緒に入れられるのは可燃物に限られるので、副葬品を選ぶ際には注意しましょう。

葬儀・告別式

一日葬では通夜を行わないため、納棺のあとは葬儀と告別式に移ります。

葬儀では、参列者の受付を行ったあと、僧侶による読経や焼香が行われます。
そして、葬儀に続けて行われる告別式は、故人に別れを告げる最後の機会です。
告別式では、近しい親族から順に棺に花を添えたあと、喪主が参列者に挨拶を行います。

火葬

葬儀と告別式が終了したら棺を搬出し、親族や故人と生前に親しかった方々は霊柩車に続いて火葬場へと移動します。

火葬場では、故人への祈りと感謝を捧げる納めの式を行います。
この儀式では、僧侶による読経や焼香が行われるのが一般的です。

そのあと、棺を火葬炉に入れて火葬が開始されます。
火葬が完了するまでの1~2時間程度は、控室で故人との思い出を語りながら過ごすこととなります。
火葬場によっては控室がない場合もあるので、葬儀社の案内に従い、斎場やご自宅に戻って待機しましょう。

骨上げ

火葬のあとに行うのが、骨上げという儀式です。
炉の周りに集まった親族が、二人一組になって竹箸で骨を拾い、骨壺に納めます。
骨上げには、故人が三途の川を渡る際の橋渡しをする意味合いが込められているため、故人への感謝や敬意を込めて行いましょう。

一日葬の所要時間

一日葬にかかる時間は、4~5時間程度が目安です。
以下に所要時間の内訳をまとめているので、ぜひ参考にしてください。

一日葬の所要時間の内訳

葬儀の内容所要時間
納棺40分~1時間
葬儀・告別式1時間
火葬1~2時間
骨上げ30分~1時間

一般葬では納棺から火葬までに8時間ほどかかるのに対して、一日葬では通夜を行わないため、3時間ほど短縮して葬式を執り行うことができます。

一日葬とほかの葬儀の形式との違い

一日葬と一般葬とでは所要時間が異なるとお伝えしましたが、ほかにも違いはあるのでしょうか。
以下に一日葬と家族葬、直葬との違いを項目に分けて整理しました。

一日葬と家族葬、直葬との違い

 一日葬家族葬直葬
安置の有無
納棺の有無
通夜の有無なしなし
葬儀・告別式の有無なし
火葬の有無
初七日法要の有無希望により繰り上げ法要を行う希望により繰り上げ法要を行うなし
精進落とし(会食)の有無希望による希望による火葬中に軽食を用意することもある
所要時間4~5時間6~9時間2~3時間
参列者の範囲限定しない親族や生前に親しくされていた方々のみごく近しい親族のみ

一日葬と家族葬で異なるのは、通夜の有無と参列者の範囲です。
一日葬では通夜を行わず、また葬儀の参列者が限定されません。
一方、家族葬では通夜を行いますが、参列者は親族や故人と生前に親しくされていた方々に限定されます。

また一日葬と直葬で異なるのは、葬儀の有無です。
一日葬では葬儀と告別式を行うのに対し、直葬では通夜や葬儀、告別式を行わず、ごく近しい親族で火葬のみを行います。

一日葬にかかる費用

全日本葬祭業協同組合連合会によると、一日葬にかかる費用の全国平均は約80万円とされています。
その費用の内訳は以下の通りです。

一日葬にかかる費用の内訳

費用の内容費用相場
基本費用約40万円~
宗教者への謝礼費約10万円~
参列者への飲食接待費約20万円~
参列者への返礼品代約10万円~

ただし、祭壇や棺のオプション、また参列者の人数によって費用が変わるため、上記はあくまで目安として捉えてください。

参照元:全日本葬祭業協同組合連合会「葬儀:葬儀の費用を徹底解説!種類別の費用相場とおすすめ節約術」

一日葬のメリット

ここからは、一日葬のメリットを解説します。

メリット①故人との時間をゆっくり過ごせる

一日葬では通夜を行わない分、故人との別れの時をご家族だけでゆっくりと過ごせます。

通夜を行う場合、参列者への対応に追われることも多く、ご家族だけで故人を偲ぶ時間を取るのは難しくなるでしょう。
その点一日葬であれば、葬儀までのあいだにご家族が故人と静かに向き合う時間を確保できます

メリット②ご家族の負担を減らせる

葬儀を執り行ううえで、ご家族の負担を減らせるのも一日葬の利点です。

すべての儀式を2日かけて行う一般葬では、そのあいだご家族が参列者に気を遣いつづけなければならず、身体的かつ精神的に大きな負担を感じるかもしれません。
特に通夜では、ご家族が参列者を迎えながら線香の火を絶やさぬよう用心する必要があり、相当な体力を使うこととなります。

一日葬の場合は通夜を省くため、そのような負担を軽減できます。
それにより体力を保持し、心を落ち着かせた状態で告別式を迎えられるでしょう。

メリット③費用を抑えられる

一日葬であれば、通夜にかかる費用を抑えられます。

通夜を行う際には、会場の使用料や参列者への返礼品代などが必要です。
さらに通夜のあとに行われる通夜振る舞いでは、喪主が参列者に感謝の意を込めて料理やお酒を提供するため、参列者の人数分の費用がかかります。

通夜を行わない一日葬であれば、参列者が少なくなることも相まって全体的な費用を節減できます。

一日葬のデメリット

最後に、一日葬のデメリットを確認しておきましょう。

デメリット①弔問の対応に追われる可能性がある

一日葬を行った場合、当日に参列できなかった方々の対応に追われる可能性があります。

通夜を行わない一日葬では、仕事や家庭の事情で葬儀当日に参列できない方々も出てくるでしょう。
それにより後日弔問に訪れる人数が増え、その対応に忙しくなることも考えられます。

なかには、「告別式への参列が難しいから、通夜だけ参列したい」という方もいらっしゃいます。
弔問を希望する方が多いと想定される場合は、一般葬を行ったほうが後日かかる負担を減らせるかもしれません。

デメリット②親族から反対される可能性がある

比較的新しい形態である一日葬は、従来の儀式を重んじる親族から反対されるおそれがあります。
なかでも通夜がないことで参列できない親族がいた場合は、深刻なトラブルに発展するかもしれません。

トラブルを未然に防ぐためにも、一日葬を選ぶ理由やメリットをあらかじめ説明し、親族からの理解を得ておくと安心です。

デメリット③寺院の了承が得られない可能性がある

寺院は、2日かけて通夜と葬儀、告別式を行う伝統的な形式を大切にしているため、通夜を行わない葬儀を認めない場合があります。
特に、先祖代々の墓がある菩提寺で一日葬をお願いする際には、事前に相談しなければ納骨や法要を断られる事態も考えられます

一日葬を検討している方は、対応してもらえるかどうかを寺院に確認しておきましょう。

まとめ

本記事では、一日葬の流れを所要時間や費用とともに解説しました。

一日葬では通夜を省き、葬儀と告別式、火葬のみを行います。
通夜がない分、故人との時間をご家族だけでゆっくりと過ごすことができ、ご家族にかかる負担や費用も抑えられます。

ただ、伝統的な形式を重んじる親族からは理解を得られないかもしれません。
そのような事態に備えて、一日葬を行う理由やメリットを事前に伝えて相談しておくとよいでしょう。

大切な方に感謝を伝える一日葬をご希望の方は、葬儀・家族葬のかながわセレモニーサポートにご相談ください。
「後悔しないお葬式を行いたい」という想いの実現に向けてサポートいたします。

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監修者

森井 功介

株式会社リコリス 代表取締役

<資格>

<略歴>

1982年神奈川県藤沢市生まれ。20年間で7,500件以上のお別れに立ち会う。2015年に株式会社リコリスを設立し代表就任。現在は「かながわセレモニーサポート」ブランドのもと、追加料金ゼロの総額プランを提供しながら、終活セミナーやエンディングノート講座を通じて地域の終活支援にも注力している。

<代表メッセージ>

「かながわセレモニーサポート」を運営する株式会社リコリスは、追加料金なしの総額プランで“内容と価格の透明性”を徹底。花祭壇を含む高品質なサービスを適正価格で提供し、ご家族一人ひとりの想いに寄り添った“世界に一つだけのお葬式”を実現します。

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