自由葬(無宗教葬)とは?選ばれる理由や流れ、費用相場を徹底解説

2022年1月31日

家族葬・お葬式

宗教や伝統的な形式にとらわれない自由葬。故人らしいお見送りをできる葬儀スタイルとして近年注目を集めています。皆さんの中には「自由葬」という言葉を知っているけれど、その内容や魅力がイマイチピンとこないと思っている方もいるでしょう。

本記事では、厚生労働省認定の一級葬祭ディレクター・森井さん監修のもと、自由葬の基本知識から、流れ、費用相場、自由葬に適した斎場や注意点等を詳しく解説します。

自由葬の事例もご紹介しているので、是非参考にしてくださいね。

 

自由葬とは

折り鶴

自由葬とは、宗教や慣習にとらわれない葬儀スタイルです。「無宗教葬」と呼ばれることもあります。

多くの場合、仏式の葬儀から宗教的要素をなくした葬儀が行われます。そのため、一般的な仏式の葬儀で行われるような僧侶による読経は行われません。黙とうや献花を行い、故人との思い出をスライドで上映したり、故人が好きだった音楽を流したりと、さまざまなプログラムを組むことができます。

 

自由葬が選ばれる理由

近年では、葬儀観や宗教観の多様化により、宗教やしきたりにとらわれない自由な葬儀スタイルである自由葬を選ぶ人が増えています。

自由葬を選ぶ背景として次のような内容が挙げられます。

 

・慣習やしきたりに縛られず自由な形で故人らしい葬儀をしたい

・故人の遺志や遺族の希望を納得いくまで反映させたい

・お寺との付き合いがなく、宗教的なこだわりがない

・家族間で信仰している宗教が異なっている

・一般的だからという理由で仏教にのっとった葬儀をすることに意義を見いだせない

・お寺へのお布施の仕組みに疑問を感じている

 

上記のような理由で、自由が選ばれています。自由葬は多様化が進んでいる社会に適した葬儀スタイルであるといえるでしょう。

 

自由葬という選択肢を増やそう

仏花

近年では、家族葬や一般葬、一日葬や火葬式など、葬儀スタイルが多様化していることから「どういう形式で行えばいいのかわからない」というお悩みをよく耳にします。お寺との繋がりもなく、特に宗教的なこだわりがないという方の中には「自由葬」の存在を知らないという人もいます。

自由葬が一般的に認知されてきているとはいえ、実際に行われる葬儀のうち約70%が仏式の葬儀となっており、まだまだ受け入れられているとは言えません。

そして、これまで仏式の葬儀しか扱ってこなかった葬儀社は、自由葬に慣れておらず、経験不足や知識不足であることがほとんどです。

そういった葬儀社では、ご家族が特に信仰をもたない場合でも、仏式の葬儀を勧めることがどうしても多くなってしまいます。

本来であればもっと最適な葬儀ができたかもしれない人の選択肢を狭めてしまうことになりかねません。

 

本記事を監修している一級葬祭ディレクター・森井が代表を務める葬儀社かながわセレモニーサポートでは、より納得のいく葬儀を行うために

 

・特に宗教的なこだわりがない

・どんな形式で葬儀を行えばいいのかわからない

 

とお悩みの方に向けて、自由葬という選択肢を提案しています。

このご提案に対して、自由葬を選ぶ人は半分にものぼります。

 

本記事では、皆さんに本当に納得できる葬儀を行っていただくために、かながわセレモニーサポートの一級葬祭ディレクター・森井監修のもと、ニーズが高まっている自由葬の魅力や事例を詳しくご紹介していきます。

 

自由葬のメリットや魅力はどこにある?

葬祭ディレクター

一級葬祭ディレクター・森井さんは、自身の経験から「自由葬を行った方の満足度は特に高い」と言います。自由葬の満足度の秘密はどこにあるのでしょうか。ここでは自由葬のメリットや魅力についてご紹介します。

 

その人らしい自由な葬儀ができる

自宅葬では形式にとらわれない、その人らしい自由な葬儀ができます。故人の大好物を家族でその場で作ってお供えしてあげたり、思い出の品を自由に飾ったり、好きだった音楽を流してあげたり、お気に入りの服を着せてあげたりと、ご遺族で手作りのお葬式ができます。

 

故人の生前の希望を反映しやすいのも自由葬のメリットです。「喪服ではなく普段の服装で、笑顔あふれる葬儀にしたい」「大好きな薔薇の花をたくさん飾ってほしい」等という希望を叶えてあげることもできますし、「本人だったらこうする」「こうしたら喜ぶ」ことを実現できます。

 

宗教的なこだわりがない人にとっても意義のある葬儀になる

葬儀における宗教的儀礼やしきたり・慣習に意義を感じず、疑問や不満を持っている方もいます。そのような方にとって、形式に捉われない自由葬は、自分自身で納得のいくものにできるというメリットがあることも満足度の高さに繋がっています。

 

故人のことを思い偲ぶ時間が増える

形式的な葬儀ではなく、故人に寄り添った手づくりの葬儀ができるということは、それだけ故人を思う時間が増えることに繋がります。

また、自由葬のプログラムの中に故人の思い出を共有する時間を設けることで、家族でも知らなかった故人の人となりを知ることができます。友人や知人、仕事仲間にしかわからない故人の一面は必ずあります。葬儀はご遺族が知らなかった故人の人となりを知ることのできる機会でもあるのです。「こういう一面があったんだ」「こんなに人望があったんだ」と知ることが、ご遺族にとっても大きな励みになるでしょう。

 

仏式の葬儀に比べて費用を抑えられる

意外と知られていませんが、自由葬は仏式の葬儀と比べて費用を抑えることができます。自由葬は僧侶等の宗教者を呼ばないため、お布施などの費用がかかりません。代わりに、お布施ぶんの費用をお花やこだわりのあるものに充てる方がほとんどです。

また、自由葬での司会進行や、故人との思い出を振り返るスライドショー、式場の飾り付け、会食の準備などをご家族で行うことで代行費用を抑えることもできるでしょう。

 

人との繋がりを再認識できる

自由葬では、故人を送り届けるとともに、葬儀に集まった参列者たちの繋がりの再確認ができるという魅力があります。お別れのときこそ、思い出を語り合ったり、お礼の言葉を伝えたりすることで、人と人の繋がりを再認識するとともに、これからの生き方について考えるきっかけにもなるでしょう。

 

自由葬にかかる費用

自由葬にかかる費用は、葬儀の規模や、どのような演出を行うかによって大きく異なりますが、一般的には80〜150万円程度が相場といわれています。また、火葬だけを行う場合は20〜30万円程度が相場となっています。

自由葬は僧侶を呼ばないため、お布施などの費用を抑えることができます。しかし、それ以外は通常の葬儀と同じように式場や火葬場の使用料、司会者や葬儀スタッフの人件費などが必要となります。また、演出の内容によっては高額になるケースもありますし、工夫次第ではお金をかけずに満足度の高い葬儀を行うこともできます。

 

自由葬の流れ

自由葬は決まった形式がない葬儀のため、プログラムや演出は故人や遺族の自由となっています。しかしそれだけでは自由葬に対するイメージが湧きにくいと思うので、ここではプログラムの一例をご紹介します。

 

1.参列者入場:参列者入場の際に故人が好きだった曲を流したり、生演奏で迎えたりすることもあります。

2.開式の言葉:参列者が揃ったら司会者が開式を告げます。

3.黙とう:全員で黙とうを捧げます。

4.故人の経歴紹介:故人の経歴やを紹介します。

5.献奏:故人の好きだった曲を流したり、生演奏をしたり等の演出を行います。

6.スライド上映:スライドを上映し、故人との思い出を振り返ります。

7.弔電紹介:届いた弔電を読み上げます。

8.感謝の言葉:遺族の代表が参列者に向けて感謝の挨拶をします。

9.献花:遺族・親族・参列者の順で献花を行います。その際、故人の好きだった曲をBGMとして流すこともあります。

10.お別れ:棺にお花や思い出の品等を納め、最後のお別れをします。

11.閉式の挨拶:遺族の代表が挨拶をし、葬儀の閉式を告げます。

12.出棺:式の終了後、葬儀場から火葬場に向かいます。

13.火葬:ご遺体を火葬します。

14.会食:火葬・納骨後、遺族や参列者で食事をする場合もあります。

 

ここでご紹介したプログラムはほんの一例です。他にも、ロウソクに灯をともす献灯を行ったり、特にプログラムを組まずに故人の思い出を語り合う自由時間だけを設けたり、思い思いの時間を過ごすことができます。

 

自由葬の実績が豊富な「かなサポ」の事例紹介

ピンクと白の菊の花

ここからは自由葬を得意とする神奈川県の葬儀社かながわセレモニーサポートによる葬儀事例をご紹介します。(“故人らしく”見送るための工夫をした葬儀事例となります。)

 

事例1:地域で見送るあたたかな葬儀

家族や親族、親しい友人だけでなく、介護施設や病院のスタッフ、近所の人など、これまで関わってきた人たちが見送ることのできる葬儀を実施。一人ひとりがメッセージを書いた折り鶴を棺に入れて故人に感謝や労いの言葉を送りました。

また、式場入り口のも無機質な案内看板を置くのではなく、手書きのボードで華やかに彩ることで、あたたかみのあるアットホームな空間をつくることができました。

 

事例2:“故人らしさ”を何よりも大切にした、友人主催の葬儀

サーファーだったIさんの事例では、サーファー仲間である友人が葬儀を主催。公営斎場を貸し切って参列者のべ500人の大規模な葬儀を執り行いました。

会場には、Iさんの写真や、愛用していたウェットスーツや帽子などを展示する思い出コーナーが設けられました。生花祭壇も故人らしいデザインに。また、参列者の服装やBGMも“故人らしさ”を大切にしています。

式では仲間からIさんへの感謝の気持ちが詰まったビデオレターを放映するなど、Iさんの人柄やこれまでの生き様が伝わるような葬儀になりました。

 

事例3:孫、ひ孫、玄孫までの4世代が参加したアットホームな葬儀

94歳で亡くなられたHさんの事例では、家族や親族ら30人程が集うアットホームな家族葬が執り行われました。葬儀にはなんと孫、ひ孫、玄孫までの4世代が参加し、家族や親族とのつながりを再認識する葬儀になりました。

また、日本舞踊に長年携わってきた“故人らしい”葬儀のため、棺には着物や扇子が添えられました。さらに、故人の生い立ちについてのナレーションを流したり、思い出の写真コーナーを設けたり、思い出話に花を咲かせ、笑顔あふれるあたたかな式となりました。

 

自由葬に最適な斎場は?

公営斎場

最近では自由葬に対応している公営斎場も多くあります。公営斎場は民営斎場等に比べ格安で利用することができるのが魅力です。また、施設そのものは宗教的な飾りなどはほとんどないことがほとんどなので、飾り付け等もしやすいでしょう。

機材や設備に関しては各斎場によって異なります。マイクの使用やBGMを流すことはほとんどの公営斎場で許可されているようです。楽器の持ち込み等については、斎場によってルールがあるため、使用を考えている場合は必ず事前に確認を取りましょう。

 

また、自由葬(無宗教葬)では、僧侶による読経がないため、スライドショーを活用したプログラムがメインとなります。その場合はモニターの使用は必須となります。公営斎場には用意されていないことがほとんどのため、持ち込むこととなります。

葬儀社によっては、モニターを持っておらずスライドを使った演出ができない場合もありますので、事前に確認するようにしましょう。

 

自社斎場:1日1組のプライベート斎場

葬儀社が運営している自社斎場は自由葬に最適です。特に、1日1組の貸切斎場は、他の利用者がいないため、人目を気にせずゆっくりと最後の時間を過ごすことができます。

例えば、自由葬の実績が豊富な神奈川県の葬儀社かながわセレモニーサポートの運営するホール北鎌倉瑞光殿では、1日1件のみの貸切りホールのため、近親者だけでゆったりと過ごせる空間が魅力です。周囲や時間を気にすることなく、最後のお別れができます。また、自由に会場を飾りつけたり、故人の好きだったBGMを流すことも可能です。背景のスクリーンや、思い出コーナーなどの装飾をアレンジすることで、形式にとらわれない世界に一つだけの葬儀を行うことができます。

 

自宅

自宅葬とは、セレモニーホールや斎場を借りて葬儀を執り行う一般的な葬式とは違い、故人が生活を送ってきた自宅を会場とする葬儀スタイルです。自宅葬と自由葬を組み合わせることで、よりアットホームで自由度の高い葬儀を行うことができます。式場を借りる必要がないため、費用を抑えられるというメリットがあります。

 

自由葬を行う際の注意点

エンディングノート

ここまでご紹介してきたように、今の時代にマッチした葬儀スタイルといえる自由葬。ここでは自由葬を行う際に注意すべきポイントをご紹介します。

 

まだまだ馴染みのない葬儀形態なので親族や家族の理解を得にくい

自由葬を選ぶ人が増えているといっても、自由葬が葬儀全体に占める割合は17.8%となっており、仏教葬の77.5%に比べるとまだまだマイナーな葬儀形式です。

メディアの紹介などで認知度は上がっていますが、馴染みのない人や、伝統的な葬儀形式にこだわりを持っている人からは理解が得られず反対されてしまう可能性があります。

 

一方で、初めは自由葬に抵抗を感じていたものの、実際に参列した人の中には自由葬に満足・納得したという声も多く聞かれます。

みんなが納得して自由葬を行うためには、事前に自由葬への思いや考えを親族や家族にしっかりと伝えておくようにしましょう。

もし親族や家族で自由葬に抵抗感を持っている方がいれば、その理由を聞いておき、解決策や妥協案を話し合っておくことも大切です。

 

葬儀のイメージやしたいことがあれば必ず葬儀社に伝えましょう

自由葬は、自由度の高さゆえに葬儀をつくりあげるための事前準備や打ち合わせが重要になります。葬儀社に任せることはできますが、葬儀のイメージや要望は事前に共有しておくべきです。

葬儀の内容を決めておかなければ、葬儀中何もすることがなく時間だけが過ぎてしまうことになりかねません。故人の遺志や、遺族の希望を反映させたその人らしい葬儀ができれば、満足度は非常に高いものとなるでしょう。

 

 自由葬の実績が豊富な葬儀社に依頼しよう

満足度の高い自由葬を行うためには、葬儀社選びにも注意が必要です。

最近では多くの葬儀社が自由葬に対応しているとうたっています。しかし、自由葬は葬儀全体の約2割しか行われていないという事実からもわかる通り、自由教葬の実績が豊富な葬儀社は少ないのが現状です。

 

自由葬に慣れていない葬儀社に依頼してしまうと、司会進行の技術がなかったり、内容が薄くなってしまったり、納得のいく葬儀ができない可能性があります。より良い自由葬を行うためには、実績が豊富な葬儀社に依頼することをおすすめします。

 

菩提寺がある場合には自由葬ができない可能性がある

宗教者を呼ばずに自由葬を行った場合、菩提寺が納骨を認めてくれない可能性があるので注意しましょう。

解決策として、自由葬を行った後に改めて仏式の葬儀を行い、菩提寺から戒名をいただいた上で供養をしてもらう方法があります。もしくは先に仏式の葬儀を行う、または仏式の葬儀に自由葬の要素を取り入れることができないかなど、葬儀社や菩提寺に相談してみましょう。

 

まとめ

本記事では、宗教や形式にとらわれず、自由な形で故人を見送ることのできる葬儀スタイル「自由葬」について、その魅力や流れ、費用相場、注意点等をご紹介しました。

その人らしい納得のいく自由葬を行うためには、実績がある葬儀社に依頼することが一番です。また、事前に葬儀のプログラムや演出について、ご家族が主体となって参加することが良い葬儀に繋がります。

故人の遺志や遺族の希望をしっかりと反映させた葬儀にするためには、事前相談を活用しましょう。自由葬についてのご相談はかながわセレモニーサポートまで。その人らしい葬儀の空間と時間づくりをお手伝いします。

 

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