音楽葬「母に捧げるバイオリン演奏」

飯塚 様

Q:故人の人となりをご紹介いただけますか。

今回ご遺族の方がご参列いただいた親戚の方へ宛てたオリジナル礼状を作成されましたので引用いたします。

A.「母の優しさや温もりは私達の心でいつまでも」

母と言えばしっかり者、それは三人の子供を育てる母親として生きる中で培われた気質だったと思います。家族のためならと思いやりを持ち、尽くしてくれる女性でした。料理が得意な母は小さい頃、お誕生日会をすると花束の形をしたサンドイッチやご飯で作ったケーキなど、珍しいものを並べてくれました。手芸も得意だった母による刺繍やぬいぐるみはかけがえのない宝物になりました。やがて孫が誕生すると熱心に面倒をみてくれました。誰かのために力を尽くしてきた分、どうかこれからは自分のために歩んでほしい…そのように願って感謝を胸に見送ります。

Q:かながわセレモニーサポートとの出会いを教えてください。

A.北鎌倉の円覚寺塔頭「佛日庵」ご住職よりパンフレットをいただいたのがきっかけです。

事前相談をした矢先の母の訃報と、亡くなった日にちが父と同じ11日ということに驚きましたが、少しでも事前相談をしたことにより、母の思いや家族の思いを葬儀に反映することができて良かったと思っております。

Q:どんなご葬儀でしたか?

A.瑞光殿にて親しい身内17名にて葬儀を行いました。ご住職を招いての葬儀で、自由な、家族の気持ち・希望に寄り沿った葬儀となりました。

一番良かったと思うことは娘の私がバイオリンを奏でてお別れの会に花を添えることができたことです。読経とバイオリンの生演奏という異色のコラボが実現できたのもご住職の文化活動を後押ししてくださる度量の広さのたまものと感謝しております。

また、私達の細かい希望をデッサンに起こして作っていただいたお花いっぱいの祭壇の中央で、母が満面の笑みで嬉しそうに私の演奏を聴いていてくれました。母の好きだった曲や、口ずさんでいた曲を流し、会場中一体となって母との思い出に浸ることができました。音楽には人を癒す力があることを改めて感じたところです。

このようなことはお寺や宗派によっては許されないことかもしれません。今回葬儀の中で生のバイオリン演奏をさせていだだき感謝申し上げます。

父が亡くなった時は火葬場がなかなか取れなかったり、混んでいたり、待たされるイメージがあったりしてゆっくりと故人を偲んでお別れすることができなかった気がします。今回は母が入所する前に最後に家族と食べた大好きなお弁当を持ち込んで「このお弁当、お母さん美味しそうに食べてたよね。」と思い出を話しながら食事することができました。

Q:ご葬儀を振り返っての思いをお聞かせください。

A.納棺を家族で行えたことは良かったと思っています。納棺師の方にお手伝いいただき、故人がきちんと身じまいしたうえで旅立てるよう準備する「納棺の儀」を行うことにより、死と向き合い、受け入れることができたと思います。

後日談ですが、お骨入れが「花柄模様でお洒落だ」と評判が良かったです。

Q:今回のご葬儀を担当して。

A.この度は「佛日庵」様のご紹介により当かながわセレモニーサポートをお選びいただきありがとうございました。最初はお母さまがご生前でのご相談は不謹慎では?とご心配されていましたが、全くそのようなことはございません。むしろ当社は事前相談をお勧めしております。と言いますのは、今は昔と違い、葬儀についての話がタブーとされることが少なくなったからです。ご自身やご家族の思いをかなえる葬儀を事前に準備しておこうとする考えです。エンディングノートに書いたり、事前相談もその方法の一つです。みなさんで作るお葬式は世界に一つだけです。後悔しないためにもいつでもご相談を承ります。

今回のご葬儀は生のバイオリン演奏に感動しました。会場中が故人との思い出に浸り、お別れをすることができました。担当者としても記憶に残る葬儀の一つです。

バイオリン演奏と読経のコラボレーションが実現できたことは「お寺は信仰の場であると共に文化活動を後押しする場所」との佛日庵様のお考えによるものと感謝申し上げます。

最後に飯塚家のみなさま、これからもご家族仲良くご健勝にお過ごしください。

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