葬儀の日程に決まりはある？一般的な流れや決め方を解説

大切な方が亡くなられたとき、葬儀の日程をどのように決めればよいのか悩まれる方は多いでしょう。
一般的には亡くなった翌日に通夜、翌々日に葬儀・告別式を行うことが多いですが、状況によって変わることもあります。

本記事では、葬儀の日程はいつ決まるのか、決め方のポイントや注意点、葬儀の種類による違いまで解説します。
ぜひ参考にして、故人を送り出すための最適な日程を決める際の一助としてください。

葬儀を執り行う日程はいつ決まるのか

通常、葬儀を執り行う日程は、遺族が葬儀社を手配した段階で確定します。
葬儀社に依頼すると、火葬場や式場の予約状況、遠方からの参列者の移動手段などを踏まえて、通夜式を含めた具体的なスケジュールを調整する流れです。
多くの場合は亡くなった直後に葬儀社へ連絡し、その後すぐに葬儀日程の相談を始めることになります。

急いで決めてしまうと親族がそろわないうちに式を迎えて、希望する式場が使えない可能性もあるため、日程の選択は慎重に行うことが大切です。
大切な故人を送り出すための時間を充実させるためにも、葬儀社と密に相談しながら焦らず進めると安心です。

葬儀の日程に決まりはある？

葬儀の日程に関して、厳密な決まりはありません。
ただし、一般的には亡くなった翌日にお通夜を行い、その翌日に葬儀と火葬を執り行うケースが多く、全体の流れとして3～4日ほどかけることが多いです。
宗教や地域ごとの習慣にも左右されますが、多くの場合は「お通夜→葬儀→火葬」の順番で進められます。

一方、近年では日程や費用を抑えたいという理由から、一日葬や直葬（火葬式）を選ぶ方も増えています。
これらの葬儀形式ではお通夜を省略したり、通夜と葬儀を同日にまとめたりするため、日程が短縮されるのが特徴です。

今日亡くなったら葬儀はいつ行うか？

亡くなった当日に葬儀を執り行うことは極めてまれで、一般的には翌日か翌々日に通夜を行い、その翌日に葬儀と火葬を行う流れが多いです。
ただし、地域の慣習や火葬場の予約状況、遠方からの親族の都合によっては日程が後ろにズレることも。
都市部では火葬場や式場が混み合いやすいため、思いのほか日数が必要になるケースも珍しくありません。

一方、一日葬や直葬を選ぶと通夜を省略して葬儀と火葬を同日にでき、比較的早い段階で火葬まで進められるというメリットがあります。
遺族の心情や参列者の予定を考慮しつつ、希望する会場や僧侶との打ち合わせも含めて検討しましょう。

葬儀は亡くなってから何日後に行うか？

一般的には亡くなった翌日に通夜、さらに翌日に葬儀・火葬を行うケースが多く、実質的には2～3日後に終了する流れが一般的です。
ただし、火葬場の予約が取りにくい地域などではそれ以上の日数を要することも。
早めに行うと親族が集まりやすいというメリットもありますが、悲しみが癒えぬうちに準備に追われてしまうデメリットもあります。

反対に日数をかけると、十分な準備期間を確保できる一方で、葬儀費用や参列者の予定調整が必要になる場合もあります。
最終的には家族や関係者と相談し、状況に合わせて無理のない日程を選ぶことが望ましいでしょう。

葬儀の種類によって日程は変わるの？

葬儀の形式によって、準備や進行にかかる日数は変わります。
ここでは、以下2つを見ていきましょう。

【葬儀の形式2パターン】

● 一般葬・家族葬の場合
● 一日葬・直葬の場合

詳しく解説します。

一般葬・家族葬の場合

一般葬は、多くの親戚や知人が集まる前提で行う形式であり、一般的には通夜と葬儀の2日間にわたる進行が基本です。
初日は夕方から夜にかけて通夜を行い、翌日は昼頃から葬儀、その後火葬という流れが一般的で、全体として3〜4日程度かかることが多いです。

一方、家族葬は参列者を親しい家族や友人など少人数に限定して行うため、日程は一般葬に比べて調整しやすい傾向があります。
とはいえ、参列人数が少ない分だけ準備が簡単とは限らず、式場の予約や火葬場の都合によって日程確保に時間がかかることもあるため注意が必要です。

一日葬・直葬の場合

一日葬は、通夜を行わずに葬儀と火葬を同日に済ませる形式で、日程を短くしたい方や費用を抑えたい方に選ばれることが多いです。
通夜がない分負担を軽減できる反面、親族や知人が遠方から参列する場合は短期間で予定を組む必要があり、参加が難しくなる可能性も。

直葬は通夜も葬儀も行わず、火葬だけを執り行うもっともシンプルな形式です。
火葬場の空き状況さえ確認できれば、比較的早いタイミングで火葬が行われるため、日程が大幅に短縮されるのが特徴です。
ただし後日お別れの会を開くなど、別の形で故人を偲ぶ時間を設けたいと考えるケースもあるため、関係者の意向をよく話し合って決めましょう。

葬儀の日程を決めるのは誰か

一般的には、故人の家族の中でも喪主や近親者が中心となり、葬儀の具体的な日程を決めます。
ただし、火葬場や式場の予約状況、僧侶や司祭など宗教者の都合、遠方から集まる親族のスケジュールなどさまざまな事情を考慮しなければなりません。
そのため、以下の点を踏まえながら、最終的な日取りを確定していくのが一般的です。

【葬儀の日程】

● 火葬場・式場の空き状況
● 僧侶や司祭の予定
● 遠方からの参列者の移動時間

都市部では火葬場や式場が混み合い予約が取りにくいケースも多いため、喪主や家族だけでなく、葬儀社とも十分に話し合うことが大切です。

葬儀にかかる時間

葬儀を執り行う際には、お通夜や葬儀当日の式・火葬などいくつかの手順があり、かかる時間も異なります。
ここでは、それぞれどのくらいの時間が必要になるのか見ていきましょう。

お通夜にかかる時間

お通夜は、故人との最後の夜を家族や親しい方々とともに過ごし、別れを惜しむための大切な儀式です。
通常、夕方から夜にかけて2〜3時間ほどで進行します。
しかし、受付や参列者の焼香時間などを含めると、式場にいるトータルの時間はもう少し長くなる場合があります。

さらに、通夜振る舞いを行う場合は、そのあとに食事を振る舞う時間が加わることも。
とはいえ、お通夜は故人との思い出を共有する重要な機会なので、時間だけにとらわれず、落ち着いて過ごせるような進め方を心がけることが大切です。

葬儀にかかる時間

葬儀当日は、式の開始前に準備やリハーサルを行うため、式場や斎場には予定時刻より早めに到着することが多いです。
式そのものは1.5〜2時間程度で終わるケースが一般的ですが、弔電の読み上げや弔辞の披露などがあると、さらに時間が延びます。

出棺前には遺族や参列者が棺に花を手向けることが多いため、焼香と合わせて数十分かかることもあります。
葬儀式が始まってから出棺が完了するまでにはおおむね2〜3時間ほどが目安です。
しかし、人数が多い場合や進行が混雑する場合には、これを超えることも珍しくありません。

火葬にかかる時間

火葬は、火葬場に到着してから実際の火入れ、収骨（遺骨を拾う作業）、そして帰宅するまでの一連の流れを含めた時間を見積もります。
火葬自体は90分〜120分程度で完了することが多いですが、火葬場が混み合っている日や火葬炉の数が限られている施設だと、順番待ちの時間が発生する可能性もあります。

収骨の際には、参加する人数が多いと手順に時間がかかるため、混乱を招かないよう火葬場職員の案内に従って行動するとスムーズです。
結果として、火葬場での滞在時間はおよそ2〜3時間を目安に考えておきましょう。

葬儀の日程を決める際のポイント

葬儀の日程を決めるには、火葬場や僧侶の予約、親族の都合など多くの調整が必要です。
そこで、以下6つを紹介します。

【ポイント6つ】

● ポイント①火葬場の空き状況を確認する
● ポイント②遠方の親族の都合を考慮する
● ポイント③僧侶のスケジュールに合わせる
● ポイント④六曜をチェックする
● ポイント⑤地域の風習に注意する
● ポイント⑥遺体の状態に配慮する

それぞれ見ていきましょう。

ポイント①火葬場の空き状況を確認する

都市部の火葬場はとくに混み合いやすく、希望した日時に予約が取れないことが少なくありません。
そのため、まずは空き状況を調べることが重要です。
葬儀社に依頼すれば、周辺の火葬場の稼働状況をまとめて確認できるので、効率的に手続きを進められます。

第一希望の日時に空きがない場合は式場や火葬場を変えるか、日程を変更して対応するのが一般的です。
予約が取れないまま日程を先に決めてしまうと、スケジュールの組み直しに時間がかかり、親族に再度連絡する手間が増えるリスクが高まります。

ポイント②遠方の親族の都合を考慮する

故人を偲びたいと思っても、遠方に住む親族や友人にとっては急な日程では移動や宿泊の手配が難しい場合があります。
そのため、なるべく早い段階で連絡を取り、いつ参列できるか確認することが大切です。

たとえば、飛行機や新幹線のチケットを手配しないと間に合わない人もいるかもしれませんし、仕事のスケジュールを調整する必要がある方もいます。
もし全員が集まれる日が数日先になる場合は、火葬場の予約状況などを踏まえて、日程を遅らせる選択肢も考慮しましょう。

ポイント③僧侶のスケジュールに合わせる

仏式の場合、葬儀を執り行う際は菩提寺などの僧侶の都合を確認することが欠かせません。
とくに「菩提寺が決まっている家系」や「特定の宗派にこだわりがある」場合は、都合の合う日を見つけるのに時間がかかるケースも。
依頼するタイミングが遅れると別の法要や葬儀が入っていて日程が合わないことも考えられるため、なるべく早めに打診することが望ましいでしょう。

もしも希望する僧侶のスケジュールが合わない場合には、別の日程を検討するか、別の僧侶に依頼する選択肢もあります。
しかし、家族や菩提寺との関係を踏まえたうえで慎重に判断したほうがよいでしょう。

ポイント④六曜をチェックする

六曜（ろくよう）は「大安」「友引」「仏滅」などの暦の吉凶を示す考え方で、参列者の中には葬儀を行う日を気にされる方もいるかもしれません。
仏滅は縁起が悪いと避ける方もいますが、近年ではあまり気にしない家族も増えています。

ただし、火葬場や式場によっては「友引」は休場にしているところがあり、葬儀そのものを執り行えない、または火葬ができない日として設定されているケースも。
そのため、六曜に無関心であっても、火葬や葬儀がスムーズに行えない場合があることを把握しておきましょう。

ポイント⑤地域の風習に注意する

日本各地には、葬儀に関する独自の慣習やルールが今でも根強く残っている地域があります。
たとえば、通夜や葬儀を行う曜日や時間帯が伝統によって制限される、お盆やお正月などの時期には葬儀を避ける風習があるなどさまざまな考え方があります。

地域ごとの風習をよく知らないまま日程を組むと、親族や近所の方が困惑するおそれもあるため、地元の葬儀社や近隣の方に確認すると安心です。
どのような風習であっても、故人を敬う気持ちが根底にあるものが多いので、できる限り配慮した日程を決めることが無難でしょう。

ポイント⑥遺体の状態に配慮する

亡くなった直後から、体温や湿度などの影響で遺体の状態は徐々に変化します。
とくに夏場など気温が高い時期は、ドライアイスを使用していても長期間の保存は難しい場合があります。
そのため、火葬場の予約が大きく先になるような場合、遺族が遺体の保存に配慮しつつ過ごす必要があり、経済的・心理的な負担が増えることもあるでしょう。

なお、医師の死亡診断書がないと火葬は行えませんが、通常は死亡確認時に医師がすぐに発行するため、日程調整の際に大きな障害となることは少ないです。
日程を決める際には、火葬場や式場の都合だけでなく、遺体の状態も踏まえて検討することが大切です。

葬儀の流れ

地域や宗派によっては多少の違いがありますが、大切なのは故人を偲び、家族や親しい方々が納得のいく形でお別れをすることです。
余裕を持ったスケジュールで進められるよう、以下を参考にしてください。

【余裕を持ったスケジュール】

● 遺体搬送：故人が亡くなった場所から葬儀社や自宅などへご遺体を移す
● 遺体の安置：ご遺体を自宅もしくは斎場などに安置し、故人と対面
● 納棺：故人を棺に納め、必要に応じて死化粧や着替えなどを行う
● お通夜：夕方から夜にかけて故人と最後の夜を過ごし、焼香や読経を行う
● 葬儀・告別式：お通夜の翌日、故人を送る儀式として式を執り行う
● 火葬・収骨：式のあと火葬場へ移動し、火葬後には遺骨を拾い上げる収骨を行う

いずれの工程でも、家族や参列者にとって落ち着いて別れを受け止められるよう、ゆとりを持った計画を心がけましょう。

まとめ

葬儀の日程は、火葬場の空き状況や僧侶のスケジュール、親族の都合などさまざまな要素を考慮して決める必要があります。
とくに初めて葬儀を執り行う場合は、葬儀社のアドバイスを参考にしながら進めるのがおすすめです。

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