葬儀・葬式の流れとは？ご逝去から葬儀までの手順・段取りを徹底解説

葬儀や葬式は突然訪れるため、どのようにしてよいか分からず混乱しがちです。
そのため、ご逝去から葬儀までの段取りを事前に知っておくと、直面したときに慌てずにすみます。

この記事では、葬儀の基本的な流れや手順を解説します。
葬儀や葬式の流れをご存じない方は、今後のためにも参考にしてください。

葬儀はどのような流れで進むのか

葬儀は、ご臨終から始まり多くの手順を経て進行します。
以下に、葬儀の流れを段階ごとに説明します。

【葬儀の流れ】

1. 葬儀社を手配する
2. 遺体を安置する
3. 家族と話し合いを進める
4. 葬儀社と打ち合わせを行う
5. 遺体を棺に納める
6. 通夜式を執り行う
7. 告別式・葬儀を執り行う
8. 火葬を行う
9. 精進落としの場を設ける
10. 葬儀後の事務処理をする
11. 納骨する
12. 香典返しをする

それぞれ見ていきましょう。

葬儀社を手配する

ご臨終後は、病院の霊安室の利用時間が限られているため、速やかに葬儀社を手配することが重要です。
病院や施設で亡くなった場合は、一般的には葬儀社の寝台車でご遺体を搬送します。

急なことで慌てがちですが、信頼できる葬儀社を選ぶことが大切です。
なお、葬儀社の選び方には、以下のポイントがあげられます。

【ポイント】

● 費用が明確である
● 丁寧に対応してくれる
● 希望に沿ったプランがある

これらのポイントを押さえた業者に依頼することで、安心して葬儀を任せられます。

②遺体を安置する

ご遺体は火葬まで安置されますが、安置場所は自宅の仏間や座敷、葬儀社の霊安室などが一般的です。
安置する際に、枕飾りを設置するための線香やローソクが必要です。
枕飾りとは小さな祭壇で、以下を準備してください。

【準備】

● 燭台
● 香炉
● 花瓶
● ローソク（1～2本）
● 線香（数本）
● 一輪花

なお、線香やローソクの本数は、地域や宗派によって異なることがあるため、葬儀社に確認しましょう。

安置場所が決まったら、親族や近しい人に連絡し、弔問の準備を進めてください。
弔問の際には家族や親族が故人の枕元に付き添い、多くの場合は線香を絶やさずに灯し続けます。

また、厚生労働省の規定によると、火葬は死亡後24時間以内にはできないため、その間に必要な手続きを進めることをおすすめします。

参考｜厚生労働省「墓地、埋葬等に関する法律」

③家族と話し合いを進める

ご遺体を安置したあと、家族で葬儀の詳細を話し合います。
詳細の決め方は、以下を参考にしてください。

また、遺言がある場合は、それに従った葬儀内容を検討します。
たとえば、故人が「家族葬を希望する」などの遺言がある場合は、希望に沿った形で葬儀を執り行いましょう。
家族全員の意見を尊重し、できるだけ和やかに話し合いを進めることがポイントです。

④葬儀社と打ち合わせを行う

葬儀の日程や場所、規模などの大きな段取りを決めたあとは、以下の細かい内容も決めることが必要です。

葬儀社の担当者と密に連絡を取り合いながら、スムーズに進行しましょう。

⑤遺体を棺に納める

納棺の儀式（故人を棺に納める儀式）では、故人の身体を清め、副葬品（故人が生前愛用していたものや好きだったもの）とともに棺に納めます。
副葬品は、火葬の際に燃えにくいものや有害なものは避ける必要があるため、事前に葬儀社に相談するとよいでしょう。

納棺の儀式は故人との最後のお別れの場でもあるため、家族や親しい人が集まり、手を合わせることが一般的です。

なお、棺に納める前に、納棺師が故人を丁寧に扱い清拭や死化粧を施し、棺に納める作業を行います。
故人への尊厳を守り、遺族の気持ちに寄り添いながら、儀式を進めてくれます。

⑥通夜式を執り行う

通夜式は、故人とのお別れを惜しむための儀式です。
通常夕方から始まり、約2～3時間かけて行われます。
親族や友人・知人などが集まり、故人の冥福を祈りながら焼香や読経を行います。
通夜式のあと、通夜振る舞いとして軽食を用意し、参列者とともに過ごす時間を持つことが一般的です。

また、通夜式の会場は以下の場所で行われます。

【通夜式の場所】

● 自宅
● 葬儀社の施設
● 寺院
● その他の場所（公共の施設、地域の集会場など）

参列者が安心して集まれるように、会場の場所や時間など必要な情報を電話やメール、訃報通知などにより明確に伝えましょう。

⑦告別式・葬儀を執り行う

告別式・葬儀は、故人との正式なお別れの場です。
会場は通夜式と同様ですが、以下の違いがあります。

【違い】

● 時間帯：昼間が多い
● 儀式の内容：線香だけでなく、僧侶による読経や弔辞、焼香などが行われる
● 参列者：通夜式より広範囲の知人や職場の同僚などが参列する

告別式後は出棺の準備を行い、棺に花や副葬品を入れ、故人とのお別れをします。

そのあと、棺を霊柩車まで運び、ご遺族は棺とともに火葬場に向かいます。
地域や宗派によって異なりますが、多くの場合は告別式の所要時間は約5～6時間です。

⑧火葬を行う

出棺後、火葬場へ移動し儀式を行います。
僧侶による読経や焼香が行われたあと、棺は火葬炉に納められます。

火葬中、遺族や参列者は待合室で過ごします。
この間、故人の思い出を語り合り、お茶を飲みながらゆっくりと時間を過ごすことが一般的です。
所要時間は約1〜2時間程度ですが、火葬場の設備や地域の習慣によって異なります。

火葬が終わると収骨（遺族が順番に箸で遺骨を拾い、骨壺に納めていく儀式）を行います。
この儀式は、故人との別れを深く感じる大切な時間です。
通常は、収骨を済ませた遺骨は遺族が持ち帰ります。

⑨精進落としの場を設ける

精進落としは、火葬後に葬儀に参加した僧侶や参列者への感謝を表すための会食の場です。
火葬後すぐに行われることが一般的ですが、葬儀の進行や地域の習慣により多少前後することもあります。

この席では、故人の思い出を語り合いながら、和やかな時間を過ごします。
会食場所の例に、以下をあげました。

【会食場所】

● 葬儀社のホール
● 近隣の飲食店
● ホテルの宴会場
● 自宅

また、地域や宗派によっては、肉や魚を避けた精進料理が提供されることもあり、故人の冥福を祈りながらいただきます。
会場の手配や料理の準備は、事前に葬儀社と相談しておくとスムーズです。

⑩葬儀後の事務処理をする

葬儀が終わったあとに必要な事務手続きを、以下にまとめました。

これらの手続きは、時間がかかるため計画的に進めることが重要です。
葬儀社がサポートしてくれる場合もあるので、相談してみましょう。

⑪納骨する

四十九日法要（故人が亡くなってから49日目に行われる法要）が終わると、遺骨を納骨します。
納骨場所には以下があげられます。

【納骨場所】

● 家族墓地：家族が所有する墓地
● 霊園や墓地：公営、民営の霊園や墓地
● 納骨堂：室内に遺骨を安置する建物

納骨場所はインターネットで情報を検索し、葬儀社や霊園の管理事務所に相談するとよいでしょう。

納骨をする際は、家族や親族が集まり故人の冥福を祈ります。
僧侶による読経により故人を正式に安置する重要な儀式のため、心を込めることが大切です。

⑫香典返しをする

通常、四十九日法要の際に、香典をいただいた方々に対して香典返しを行います。

品物は、予算や地域の習慣に合わせて選ぶのがよいでしょう。
たとえば、以下のような品物があげられます。

【品物】

● お茶やコーヒー：定番の品物で、多くの方に喜ばれる
● タオルやハンカチ：実用的で使いやすい
● お菓子や食品：日持ちするお菓子や食品が選ばれることが多い
● ギフトカードや商品券、ギフトカタログ：相手が好きなものを選べるので便利

感謝の気持ちを込めて選ぶことが大切です。

葬儀の日程の決め方は？

葬儀の日程を決める際には、まず故人が亡くなった翌日に通夜、その翌日に葬儀・告別式を行うことが一般的です。
遺体の状態を考慮して、できる限り早めに日程を決めることが望ましいです。

葬儀社を手配したあとは、速やかに日程を決定しましょう。
都市部では火葬場が混雑していることが多いため、早めに予約を取ることが重要です。

葬儀のスケジュールを考える際のポイント

葬儀のスケジュールを決める際に、いくつかのポイントを押さえることで、スムーズに葬儀を進行できます。ここでは、おもな5つの注意点をまとめました。

【注意点5つ】

● ポイント①火葬場の空き状況を事前に確認する
● ポイント②菩提寺や僧侶の予定を確認する
● ポイント③地域の風習を確認する
● ポイント④遺言書の内容を確認する
● ポイント⑤六曜に注意する

それぞれ見ていきましょう。

ポイント①火葬場の空き状況を事前に確認する

火葬場の予約が取れない場合、葬儀の日程が大幅に遅れてしまうリスクがあります。

以下の手順で確認するとスムーズです。

早めの行動と葬儀社との密な連携が、スムーズな葬儀の進行につながります。

ポイント②菩提寺や僧侶の予定を確認する

仏式の葬儀では、僧侶による儀式が欠かせません。
菩提寺やお付き合いのある僧侶の予定を確認し、葬儀の日程を調整することが重要です。

予定が合わない場合は、ほかの寺院から同じ宗派の僧侶を紹介してもらうことも検討しましょう。

ポイント③地域の風習を確認する

地域によって葬儀の風習が異なるため、地元の風習を事前に確認することが大切です。
もし確認しないと、以下のようなトラブル発生が考えられます。

年配の親戚や近所の方に相談し、地域の風習を把握しておきましょう。

ポイント④遺言書の内容を確認する

故人の遺言書に葬儀の希望が記されている場合、記載内容を尊重して葬儀を計画します。
遺言書の内容を確認し、故人の希望に沿った葬儀を行うことが大切です。

まず、遺族が遺言書の保管場所を知っているか確認してください。
遺言書が見つかった場合は、内容を詳しく読み、葬儀に関する具体的な希望を把握します。
たとえば、特定の音楽を流してほしい、特定の場所で葬儀を行いたいなどの希望がある場合が考えられます。

このような具体的な希望がある場合は、葬儀社に伝え、適切な対応をお願いしましょう。
葬儀社は遺言書の内容に基づいて、故人の希望を反映した葬儀を進めてくれます。

ポイント⑤六曜に注意する

六曜とは、暦のうえで日々の吉凶を示す指標のことです。
六曜には「先勝」「友引」「先負」「仏滅」「大安」「赤口」の6種類があります。
とくに「友引」は葬儀の日程として避けられることが多いです。
「友引」は「友を引く」意味から、縁起が悪いとされるためです。

実際に、火葬場も友引を定休日とすることが多いため、六曜を確認しながら日程を調整しましょう。
友引以外の六曜も一応確認し、とくに気になる日がないかをチェックすることをおすすめします。

葬儀を執り行う際のマナー

葬儀のマナーを正確に理解し、悲しみの中でも失礼のないように振る舞うことが重要です。ここでは、忘れてはならない4つのポイントをまとめました。

【ポイント4つ】

● 訃報の連絡の仕方
● 服装
● 持ちもの
● 言葉遣い

それぞれ見ていきましょう。

訃報の連絡の仕方

訃報の連絡は、迅速かつ丁寧に行う必要があります。
まず、親しい家族や親族に電話で直接連絡してください。
次に、友人や知人にはメールやメッセージアプリを使って詳細を伝えます。

訃報連絡には、故人の名前・死亡日時・通夜や葬儀の日程と、場所・服装の指定などを含めるとよいでしょう。

また、会社や地域のコミュニティには、訃報通知を出します。
訃報通知とは、故人の訃報を知らせるための文書やメールのことです。
会社の同僚や地域の関係者に対して、適切な形式で訃報を伝える役割を担っています。

連絡が遅れると、参列者が準備できない可能性があるため、速やかに行うことが大切です。

服装

葬儀に参列する服装は、基本的に喪服です。
服装は故人や遺族に対する敬意を表すものなので、適切な服装を心掛けることが大切です。
以下に、男女と子どもの服装をまとめました。

靴やバッグも黒色で統一し、派手な装飾は避けましょう。

持ちもの

葬儀に参列する際に必要な持ちものは以下のとおりです。

持ちものを揃えておくことで、失礼なく安心して葬儀に臨めるでしょう。

言葉遣い

葬儀の場では、慎重な言葉遣いが求められます。
遺族に対しては、故人を偲ぶ言葉やお悔やみの言葉を述べます。
以下に、言葉と使うべきシーンをまとめました。

また、過度に賑やかな会話や不適切な話題は避け、静かに哀悼の意を示すことが大切です。
葬儀の場では慎み深く、故人と遺族に対する敬意を忘れずに言葉を選びましょう。

葬儀の種類

葬儀にはさまざまな種類があり、故人や遺族の意向に合わせて選べます。
ここでは、代表的な葬儀の種類を4つまとめました。

【代表的な葬儀4種】

● 一般葬
● 家族葬
● 1日葬
● 直葬

それぞれ見ていきましょう。

一般葬

もっとも伝統的で一般的な葬儀形式で親族や友人、知人、会社関係者など多くの方が参列します。

通常、通夜と葬儀・告別式が2日にわたって行われ、僧侶による読経や焼香、弔辞などの儀式が執り行われます。

参列者が多いため、会場の選定や進行管理が重要です。
費用はほかの形式と比べて高くなることが多いですが、故人との別れを時間をかけて丁寧に行えます。

家族葬

親しい家族や親族のみで行う小規模な葬儀で、故人との最後の時間をゆっくりと過ごせ、プライベートな雰囲気の中で行われます。
一般参列者は招かないため、費用も比較的抑えられることが特徴です。

しかし、後日参列できなかった方からお悔やみの連絡が入ることもあるため、対応を考えておく必要があります。

1日葬

通夜を行わず1日で葬儀と告別式を執り行う形式で、時間と費用を節約できるため、忙しい現代人に適しています。

手続きや準備が簡略化されるため負担が軽減されますが、故人との別れの時間が短くなる傾向があります。
そのため、関係者で話し合い、とくに家族や親族の意向を十分に考慮することが重要です。

直葬

通夜や葬儀を行わず、火葬のみを行うシンプルな形式で、最低限の儀式で済ませたい場合や経済的な理由で選ばれることが多いです。
費用はもっとも安く抑えられますが、故人とのお別れの時間が限られることがデメリットです。

儀式の時間を十分取りたい場合や、親族や友人が多く参列する予定がある場合は、ほかの選択肢を検討したほうがよいでしょう。
直葬は、とくに遺族が少なくシンプルな儀式を希望する方や、故人が生前に望んでいた場合に選ばれる傾向があります。

まとめ

葬儀は故人とのお別れをどのように行いたいか、遺族の希望や経済的な状況を考慮して最適な形式を選ぶことが大切です。
また、葬式の種類は複数あるため、故人の希望や遺族の意向を考慮して選んでください。
事前に葬儀社に相談するのもよい選択肢です。

なお、葬儀・家族葬のかながわセレモニーサポートは、お客様ファーストでご家族や故人の意向を尊重した葬儀になるようサポートします。
葬儀は故人の心を込めて送り出す大切な儀式のため、十分に準備を整え、悔いなくお別れしましょう。