墓じまいの後に散骨することは可能?流れを解説

2021年3月15日

お墓じまい

 

お墓を維持したり管理することが難しい、遺族に負担をかけたくないという方にとって、「墓じまい」や「散骨」は一つの選択肢として大きな意義をもっています。本記事では、墓じまいの後に散骨する場合の流れや注意点について詳しく解説していきます。

 

墓じまいとは

お墓

墓じまいとは、今あるお墓を撤去・解体し、墓地を更地にして管理者に返すことを指します。
・核家族化や非定住化、高齢化によって、お墓を継承したり管理したりすることが難しい。
・経済的な負担をかけたくない。
・お墓を別の場所に移動させたい。
等の理由で墓じまいを選択する人が増えています。

 

墓じまいの後に散骨することは可能です

墓じまい後には基本的には遺骨を別の場所に移さなければなりませんが、「散骨」という方法を取ることも可能です。

墓じまい後の遺骨を別の墓地に移したり、永代供養墓地に移したり、納骨堂に預けたり…。これらはすべて「お墓」に移す行為です。一方で、散骨のように、お墓に移すことなく自然に還すこともできます。「散骨」は、「自然に抱かれて眠りたい」といった故人の生前の希望を叶えたり、「お墓を継承・管理する人がいない」という問題を解決するための一つの方法として注目を集めています。

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墓じまいから散骨までの流れ

では実際には墓じまいから散骨まではどのような流れで進められるのでしょうか。簡単に見ていきましょう。

 

1.ご家族、ご遺族でしっかりと話し合う
2.お墓の管理者に「墓じまい」の相談、申し入れをする
3.お墓の解体業者を決める
4.散骨業者を決める
5.自治体で改葬許可の手続きをする
6.お墓から遺骨を取り出す
7.お墓を撤去する
8.遺骨を散骨業者に郵送する
9.遺骨を粉骨する
10.散骨する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

1.ご家族、ご遺族でしっかりと話し合う

墓じまいや散骨をする前にまずは、ご家族、ご遺族でしっかりと話し合いましょう。散骨をした遺骨はもう手元には戻りません。後々トラブルに発展したり、後悔したりしないように全員が納得できる方法を選びましょう。

 

2.お墓の管理者に「墓じまい」の相談、申し入れをする

お墓の管理者に「墓じまいをして散骨をする」という旨を伝えましょう。墓じまいをするにあたって、お墓の管理者には改葬許可書の手続きに必要な書類の発行や、魂抜き(閉眼供養)をしてもらう必要があるので、必ず申し入れをしましょう。

 

3.お墓の解体業者を決める

墓じまいをするということは、今あるお墓を解体・撤去し、更地に戻すことです。工事をしてもらう解体業者を探し、依頼しましょう。石材店に依頼するのが一般的です。より納得のいく墓じまいにするためには、複数の石材店から相見積もりをとって、比較することをおすすめします。

 

4.散骨業者を決める

散骨は個人でも不可能ではないですが、粉骨をしたり、地方自治体から墓じまいの許可を得るための「改葬許可書」を発行してもらったりすることを考えると、専門の業者に依頼した方が安全・安心です。トラブルを未然に防ぐためにも、信頼できる業者に依頼することをおすすめします。

 

散骨は個人でできる?注意すべきポイントとは

 

5.自治体で改葬許可の手続きをする

まず、今あるお墓の管理者から「埋葬証明書」を取得しましょう。さらに「改葬許可書申請書」や「散骨の契約書」と合わせて自治体に提出することで、墓じまいと散骨に必要な「改葬許可書」を取得することができます。

 

6.お墓から遺骨を取り出す

お墓から遺骨を取り出す前に、「閉眼供養」を行う必要があります。「閉眼供養」とは、お墓に込められている仏様やご先祖様の魂を抜く儀式を指します。「魂抜き」や「性根抜き」とも呼ばれます。この儀式は、一般的にはお墓を管理する住職に行ってもらうことができます。閉眼供養が完了した後、お墓の納骨室から遺骨を取り出します。

 

7.お墓を撤去する

改葬許可書を取得し、開眼供養も済んだら、お墓の解体工事に移ります。墓地を更地にして管理者に返しましょう。

 

8.遺骨を散骨業者に郵送する

取り出した遺骨を散骨業者に郵送します。解体を依頼した業者に郵送してもらうとスムーズです。もちろん自ら散骨業者に郵送しても構いません。

 

9.遺骨を粉骨する

散骨をするためには必ず粉骨をしなければいけません。また、お墓に納められていた遺骨は水分を含んでいるため、粉骨の前に乾燥させる必要があります。乾燥・粉骨は個人で行うことは非常に難易度が高いです。専門の業者に依頼することをおすすめします。

 

10.散骨する

粉骨が完了したら、散骨を行います。散骨には、ご遺族が自ら散骨する方法と、業者に完全委託する方法があります。前者の場合は、散骨業者と事前に決定した日程や散骨場所に従ってご遺族が散骨に立ち合います。後者の場合はご遺族は散骨に立ち会いません。

 

以上が、墓じまいから散骨までの流れとなります。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

墓じまいや散骨はマイナスに捉えられがちですが、お墓の管理や継承が難しい方や経済的に困難な方の一つの選択肢として考えると決してマイナスなことだけではありません。ただ、お墓というご先祖とのつながりを実感できる場所がなくなってしまうこと、遺骨が手元に戻らなくなることなどを慎重に考え、家族や親戚がしっかりと納得できる方法を選択しましょう。「散骨」や「墓じまい」に関するお悩みは、かながわセレモニーサポートにご相談ください。

 

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